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玄関・庭・ベランダのプランターは、置き場所で性質が変わる
底穴のない鉢に直接植えて、根腐れさせたことがある。テラコッタ・レジン・木・ファイバークレイ・金属、5つの素材の癖と、直径30cmという鉢選びの目安を場所ごとに整理する。
仕事から帰って鍵を開ける一瞬や、休日の朝にベランダへ出る数分間。そこに気に入ったプランターと育っている植物があると、その場所の印象が少し変わる。プランターを選ぶという行為は、器を買うというより、その場所での過ごし方を決める作業に近い。
素材が空間の温度を決める
テラコッタは通気性がよく植物にやさしいが、重く割れやすい。レジンは軽くデザインも豊富だが、経年変化はあまり楽しめない。木製は周囲の景観に馴染みやすい反面、定期的な塗装が要る。ファイバークレイは陶器のような質感で軽く、ブリキや金属は個性が強く錆びを味として楽しむタイプの素材だ。どれが正解ということはなく、置く場所の気候と、自分がメンテナンスにどれだけ時間を割けるかで決まる。
大きさについては、小さな鉢をいくつも並べるより、直径30cmを超えるような鉢を一つ据える方が管理は楽になりやすい。土の量が多いと根が安定し、水切れも起きにくい。
玄関は境界線、庭は外のリビング
玄関は社会と私生活を区切る場所なので、香りのある植物を置くと帰宅の感覚が少し変わる。春はラベンダーやヒヤシンス、夏はローズマリーやミント、秋は金木犀、冬はクリスマスローズというように季節で入れ替えると飽きにくい。以前、底穴のない鉢に直接植えて根腐れさせたことがあって、それ以来インナーポットを使い、中身だけを季節ごとに入れ替えるようにしている。
庭は地面に鉢を並べるだけだと単調になりがちで、背の高いプランターを横一列に並べると視線を遮る緑のスクリーンになる。葉の形が違うもの同士を隣り合わせると、色数が少なくても輪郭にメリハリが出る。
ベランダは垂直の空間として使う
床面積が限られたベランダでは、ハンギングラックやウォールポケットで植物を目線の高さまで持ち上げると、座ったときの見え方が変わる。集合住宅では避難ハッチを塞がない配置や排水溝の詰まり対策の方が、見た目の工夫より優先度が高い。台風などで強風が予想される時期は、ハンギングプランターをワイヤーで二重に固定しておくと安心できる。
玄関、庭、ベランダ。それぞれのプランターは、完璧である必要はない。植物を枯らしたり配置がしっくりこなかったりする試行錯誤自体が、その場所での過ごし方を少しずつ形にしていくのだと思う。
