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趣味の道具が増えていくことについて
収納グッズを買い足せば趣味のモノは片付く、という話を、一度疑ってみる。実際に効いていたのは、もっと地味なことだった。
趣味を続けていると、道具は放っておいても増えていく。手芸の端切れ、カメラの周辺機器、キャンプ用品。気づけば部屋の一角が占領されていて、くつろげる場所が減っていく。
この手の悩みに対して、ネット上には「便利グッズ10選」や「収納を維持する5つのルール」といった記事が大量にある。有孔ボード、透明ケース、キャスター付きワゴン。眺めている分には面白いし、実際に便利な道具もあるのだろう。ただ、こうした記事を読んで新しい収納グッズを買い足すこと自体が、次の収納問題の種になっている場面を何度か見てきた。道具を整理するための道具が増えるという、少し滑稽な循環だ。
効いていたのは、道具ではなく頻度の話だった
実際に自分の身の回りで機能していた工夫を思い返してみると、拍子抜けするほど地味なものばかりだった。よく使うものは腰から肩の高さに置く。それだけで、出し入れの面倒さがかなり減る。逆に、年に一度しか使わないものは、多少しまい込んでも困らない。つまり効いていたのは収納用品の性能ではなく、「どれくらいの頻度で触るか」を基準に置き場所を決めていたことのほうだった。
もうひとつ効いていたのは、道具を使い終えた後、片付けまでを一連の作業として終わらせる習慣だ。趣味の時間の最後に軽く戻しておくだけで、翌週に散らかった状態から再開しなくて済む。これも収納グッズとは関係のない話で、単なる順番の問題にすぎない。
「1つ買ったら1つ手放す」というルールも、よく見かける。実践してみると、これは収納を維持するための鉄則というより、増え続けるものに対する現実的な妥協点に近い。守れないときのほうが多いし、守れなくても大きな問題にはならなかった。
収納が整うことと、趣味が続くことは別の話
収納がきれいに整うと気分がいいのは確かだが、それと趣味そのものが続くかどうかは、あまり関係がないように思う。道具が完璧に整理された部屋より、多少乱雑でも、やりたいと思った瞬間に手を伸ばせる場所のほうが、結局は趣味に向かう回数を増やしていた。
収納は、趣味を続けるための舞台装置ではあっても、趣味そのものの代わりにはならない。道具をどうしまうかに時間をかけすぎるくらいなら、多少雑然としたままで、その時間を趣味そのものに使ったほうがいいのかもしれない。
