塩分濃度計算機
「塩少々」を、重さと%に置き換える。肉の下味・汁物・パスタの茹で湯の3つのプリセットは、 もとになった記事 で紹介された数値をそのまま使っています。
Jason Tuinstra / Unsplash
塩分濃度 0.8% で計算します。
塩の量
2.4 g
大さじ換算でおよそ 0.1 杯
濃口醤油に置き換えるなら
16.6 g
味噌に置き換えるなら
19.4 g
引き上げ目安は52℃(余熱で上がる分を見込んだ温度。上がり幅は火力と肉の大きさで変わり、強火で焼いた厚い肉では55℃を越えることもありうる)。塩は調理の40分前に振る。
三つの数字はどこから来ているか
0.8%
肉の下味
食材の重量に対して0.8%前後を目安にしている。この数字を直接確かめた研究は見つかっていなくて、実験で導かれた値ではない。肉300gなら2.4g。目分量で振るとまず届かない量である。
0.9〜1.2%
汁物
0.9%を下回ると物足りなく、1.2%を超えるとしょっぱく感じやすい。幅がわずか0.3ポイントしかないところに、「ひとつまみ」という単位との相性の悪さがある。
1.8%
パスタの茹で湯
「湯1Lに塩大さじ1」という定番の指示から。大さじ1の塩はおよそ18gなので、1.8%になる。下味の目安1.2〜1.5%よりだいぶ濃いのは、ソースだけで完結させず麺自体に塩気を含ませる下地だからだ。
0.9%は、名前が言うほど生理的ではない
汁物の0.9%には、たいてい説明がついてくる。点滴に使う生理食塩水と同じ濃度だから、 体液と釣り合っていて、だからちょうどよく感じるのだ、と。
ところが数字を突き合わせると、少しずれる。0.9%食塩水のナトリウム濃度は154mEq/L。 対して血漿の基準範囲は135〜145mEq/Lで、代表値は137mEq/L前後とされる。 「生理的」を名乗っている食塩水のほうが、本物の体液より1割ほど塩辛い。
桁として近いことは確かなので、経験則が大きく外れているわけではない。 ただ、0.9%が効くのは体液と一致するからではなく、その付近に狭い許容幅があるから—— と受け取っておいたほうが、実際に鍋の前で使うときには正確だと思う。 根拠の名前が立派だと、数字まで厳密に見えてしまう。
量って分かること、分からないこと
この計算機が消しているのは、「ひとつまみ」という単位のばらつきだけである。 指でつまむ量は手の状態や塩の湿り具合で変わるので、同じレシピでも日によって塩辛さが変わる。 そこだけを潰す道具だと思ってもらっていい。
そして、これは味の話であって健康の話ではない。一日の食塩摂取量の目安とは無関係で、 そちらを気にしている場合、ここで出る数値は答えにならない。
よくある質問
この計算機は、1日の摂取量の目安を出すものですか?
いいえ。健康ガイドラインの話ではなく、味付けの塩分濃度を、記事に書いた数値から計算するだけの道具です。
プリセットの数値はどこから来ていますか?
肉の下味0.8%は「ステーキを物理法則で焼くための手順」の記事、汁物(0.6〜1.2%、既定0.8%)とパスタの茹で湯1.8%は「塩ひとつまみは、何グラムなのか」の記事に書いた数値を使っています。汁物の最適な濃度は一つに決まらず、味わう順番やご飯の有無、年齢でも動きます。
醤油や味噌への換算はどのくらい正確ですか?
日本食品標準成分表(八訂増補2023)の、濃口醤油14.5%、淡色辛みそ12.4%として概算しています。薄口醤油は16.0%、味噌は甘みそ6.1%〜赤色辛みそ13.0%と種類で大きく違い、醤油メーカーの公表値(濃口17.5%)とも差があります。あくまで目安です。
「体液と同じ0.9%がおいしい」という説明は正しいですか?
いいえ。生理食塩水は血清よりナトリウムが10%近く、クロールが50%高く、体液と同じ濃度ではありません。水に溶かした食塩水の味の実験でも、0.9%より0.6%のほうがおいしいと評価されています。詳しくは「塩ひとつまみは、何グラムなのか」の記事をご覧ください。
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