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塩分濃度計算機

「塩少々」を、重さに置き換えます。数値は塩の記事とステーキの記事から。

入力何に、どれだけの塩を入れるか

料理

肉の重さ

g

塩分濃度 0.8% で計算します。

結果

肉の下味・300g・0.8%の塩

2.4g

計量スプーンなら小さじ½弱(精製塩の場合。粗塩は同じ杯数でも軽い)。重さで量るのが確かです。

醤油なら約17g味噌なら約19g

引き上げ目安は52℃(余熱で上がる分を見込んだ温度。上がり幅は火力と肉の大きさで変わり、強火で焼いた厚い肉では55℃を越えることもありうる)。塩は調理の40分前に振る。

もとになった数値:「美味しそう」という予感を、少し疑ってみる。――ステーキを物理法則で焼くための手順

塩2.4グラム

パスタの茹で湯の塩(早見表)

湯の量ごとの、パスタの茹で湯に入れる塩の量(1.8%と1.5%)
湯の量1.8%大さじ成分表の
条件 1.5%
1L18g1杯15g
2L36g2杯30g
3L54g3杯45g
4L72g4杯60g

1.8%は「湯1Lに塩大さじ1」という定番の指示から(大さじ1の塩はおよそ18g)。1.5%は、日本食品標準成分表(八訂)がスパゲッティの「ゆで」の値を出すときに使った食塩水の濃度で、塩の記事で紹介している。大さじの杯数は精製塩の重さでの換算で、粗塩(並塩)は同じ杯数でも軽い。麺の量は、どちらの列にも入っていない。

塩分濃度の計算方法

塩の量(g)= 重さ(g)× 濃度(%)÷ 100

上の計算機がしているのは、この掛け算だけである。湯や水は1L=1000gとして扱う。肉300gを0.8%なら300×0.8÷100で2.4g、湯2Lを1.8%なら2000×1.8÷100で36gになる。

木のスプーンに山盛りになった粗塩
Jason Tuinstra / Unsplash

三つの数字はどこから来ているか

0.8%

肉の下味

ステーキの記事が採っている、肉の全重量の0.8%という目安。この数字を直接確かめた研究には行き当たらず、実験で導かれた最適値ではない。肉300gなら2.4gになる。

0.8%前後

汁物

汁物の塩分は0.8%前後が通常とされる(畑江の講演録)。ただし、みそ汁で好まれる濃度は、味わう順番やご飯の有無で0.6%と0.8%のあいだを動き、家庭のみそ汁の実測は0.43〜1.90%と広い。0.8%は、広い分布の真ん中あたりの目安と読むほうが近い。計算機では0.6〜1.2%のあいだで動かせる。

1.8%

パスタの茹で湯

「湯1Lに塩大さじ1」という定番の指示から。大さじ1の塩はおよそ18gなので、1.8%になる。日本食品標準成分表のスパゲッティの茹で条件は1.5%の食塩水で、1.8%はそれより少し濃い。麺に入る塩は、塩の総量ではなく湯の濃度で決まるので、麺の量は計算に入らない。

0.9%は、名前が言うほど生理的ではない

汁物の0.9%には、たいてい説明がついてくる。点滴に使う生理食塩水と同じ濃度だから、体液と釣り合っていて、だからちょうどよく感じるのだ、と。

ところが数字を突き合わせると、少しずれる。0.9%食塩水のナトリウムは154ミリモル/リットル。ヒトの血清は135〜145ミリモル/リットルで、「生理的」を名乗る食塩水のほうが、ナトリウムで1割近く高い。

味の側のデータも、0.9%を特別扱いしていない。水に溶かした食塩水の味を比べた実験(早渕らの2020年の研究)では、0.9%より0.6%のほうがおいしいと評価された。もっとも食塩水はスープとは違うので、汁物も0.6%がよい、とまでは言えない。根拠の名前が立派だと、数字まで厳密に見えてしまう。

量って分かること、分からないこと

この計算機が消しているのは、「ひとつまみ」という単位のばらつきだけである。指でつまむ量は手の状態や塩の湿り具合で変わるので、同じレシピでも日によって塩辛さが変わる。そこだけを潰す道具だと思ってもらっていい。

そして、これは味の話であって健康の話ではない。一日の食塩摂取量の目安とは無関係で、そちらを気にしている場合、ここで出る数値は答えにならない。

よくある質問

この計算機は、1日の摂取量の目安を出すものですか?

いいえ。健康ガイドラインの話ではなく、味付けの塩分濃度を、記事に書いた数値から計算するだけの道具です。

1%の塩水を1リットル作るには、塩は何グラム?

10gです。水1Lを1000gとして、1000×1÷100=10g。計量スプーンなら、精製塩で小さじ1¾ほど、大さじでいえば½と少しです(大さじ1=18g、小さじ1=6gで換算)。粗塩(並塩)は同じ杯数でも軽いので、重さで量るほうが確かです。

パスタ200g・300gなら、塩は何グラム?

塩の量は、麺の量ではなく湯の量で決まります。記事で紹介したビアンキらの2019年の研究(抄録による)では、湯の量や水と麺の比を変えても、麺のナトリウムを変えたのは湯の塩分濃度とすすぎだけでした。麺に入る塩は、湯の濃度で決まるということです。なので、先に湯の量を決めて、その1.8%(日本食品標準成分表の茹で条件に合わせるなら1.5%)を入れます。湯3Lなら54g(1.5%なら45g)です。湯の量の手がかりとしては、成分表の茹で条件が乾麺の20倍の湯なので、それに合わせるなら乾麺200gで湯4L、300gで湯6Lになります。

プリセットの数値はどこから来ていますか?

肉の下味0.8%は「ステーキを物理法則で焼くための手順」の記事、汁物(0.6〜1.2%、既定0.8%)とパスタの茹で湯1.8%は「塩ひとつまみは、何グラムなのか」の記事に書いた数値を使っています(汁物の0.6〜1.2%という動かせる幅は、この計算機での設定です)。汁物の最適な濃度は一つに決まらず、味わう順番やご飯の有無、年齢でも動きます。

醤油や味噌への換算はどのくらい正確ですか?

日本食品標準成分表(八訂増補2023)の、濃口醤油14.5%、淡色辛みそ12.4%として概算しています。薄口醤油は16.0%、味噌は甘みそ6.1%〜赤色辛みそ13.0%と種類で大きく違い、醤油メーカーの公表値(濃口17.5%)とも差があります。あくまで目安です。

「体液と同じ0.9%がおいしい」という説明は正しいですか?

いいえ。生理食塩水は血清よりナトリウムが10%近く、クロールが50%高く、体液と同じ濃度ではありません。水に溶かした食塩水の味の実験でも、0.9%より0.6%のほうがおいしいと評価されています。詳しくは「塩ひとつまみは、何グラムなのか」の記事をご覧ください。

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出典

  • 畑江敬子「味覚と呈味成分との関係—塩味効率と調理における塩味の感じ方—」(塩事業センター/ソルト・サイエンス研究財団の講演録、掲載年は確認できなかった)
  • Hayabuchi H, et al. (2020). Validation of preferred salt concentration in soup based on a randomized blinded experiment in multiple regions in Japan. Hypertension Research, 43(6), 525–533.
  • Li H, Sun SR, Yap JQ, Chen JH, Qian Q (2016). 0.9% saline is neither normal nor physiological. Journal of Zhejiang University Science B, 17(3), 181–187.
  • Bianchi LM, Phillips KM, McGinty RC, Ahuja JK, Pehrsson PR (2019). Cooking parameters affect the sodium content of prepared pasta. Food Chemistry, 271, 479–487.(抄録による)
  • 野村希代子ほか (2019). 飯との組み合わせが低塩分濃度の汁物の塩味の嗜好性に及ぼす影響. 日本家政学会誌, 70(2), 57–67.
  • 堀尾強 (2007). 味噌汁における塩分嗜好の家族類似性. 日本醸造協会誌, 102(10), 743–749.
  • 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」および食品成分データベース(八訂増補2023年)
  • 国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査のための標準的図版ツール(2009年版)に基づく重量目安表」(大さじ・小さじの塩の重さ)

書誌と確認の範囲は、記事『塩ひとつまみは、何グラムなのか』の出典欄と同じ。

ほかの道具(自分の位置を測る道具)