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デニムをリメイクして、ミシンとは戦わないことにした
古着屋で奮発したヴィンテージデニムを自己流でカットして失敗した経験から、縫わずに済ませるデニムの活かし方をいくつか試してみた記録。
古着屋で奮発して買ったヴィンテージのリーバイスを、自分でハサミを入れて台無しにしたことがある。「切りっぱなしが今の気分だ」という根拠のない自信は、左右で長さの違う裾と、洗濯のたびにほつれていく切り口の前で崩れた。結局そのデニムは部屋着にすらならず、静かに処分した。
デニムは綿を綾織りにした厚手の生地で、プロが使う工業用ミシンならともかく、家庭用ミシンで何重にも重なった部分を縫おうとすると、針は曲がり、縫い目はガタガタになる。生活感の滲む中途半端な手作り感こそが、大人のリメイクでは一番の敵だと思っている。
縫わない、足さない、そのまま使う
失敗してから意識するようになったのは、この3つだけだ。ミシンと格闘しない。レースや異素材を足して可愛くしようとしない。ベルトループやポケット、リベットといった元からあるパーツは、それ自体が完成されたデザインなので、そのまま活かす。
実際にやってみて手応えがあったのは、脚の部分を鉢の高さに切って観葉植物にかぶせる鉢カバーだった。底を作る必要すらなく、筒として被せるだけでいい。切り口はあえて処理せずほつれさせるのも味になる。もう一つ、ベルトループを切り出してケーブルをまとめる結束バンドにする使い方も、捨てるはずだった端材が急に役に立つ道具に変わって面白かった。
切りっぱなしの宿命であるほつれについては、木工用ボンドやマニキュアで固めようとすると水に弱かったり肌触りが悪くなったりする。専用のほつれ止め液を切り口に塗るのが結局いちばん確実だった。
手に負えないものは、染めるという手もある
色あせたり黄ばんだりしたデニムを、専門業者に依頼して黒く染め直すサービスもある。生地は染まるが縫い糸(多くはポリエステル)は染まらずに残るので、黒地にステッチだけが浮き上がる独特の表情になる。費用は数千円からで、自分でハサミを入れて失敗するリスクを考えると、意外と割に合う選択肢だと思う。
デニムは青春や人生の節目を共に過ごした相棒のようなものかもしれないが、それに執着しすぎてクローゼットの余白を圧迫するのも本末転倒だ。ハサミを入れて新しい役割を与えるか、染め直すか、あるいはありがとうと言って手放すか。なんとなく取っておくのをやめる、というだけの話だと思う。
