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泉質で温泉を選ぶようになってから、旅の意味が少し変わった
温泉の定義は25℃以上か成分か。「源泉かけ流し」は法律の言葉ではない。泉質、入浴の頻度、湯上がりのビールを、制度と研究の数字で確かめ直した。
温泉に行くとき、以前は有名な宿や豪華な食事で選んでいた。今は少し違う基準を持つようになった。「循環ろ過式」なのか「源泉かけ流し」なのか、泉質は硫黄泉なのか単純泉なのか。旅先を決める前に、まずそれを調べる。
源泉かけ流しにこだわるのは、正直に言えば理屈より感覚の話だ。湧き出したままの湯と、塩素で殺菌され循環する湯とでは、肌に触れたときの印象がはっきり違う気がする。ただ、これを「細胞レベルのリセットが起きる」というような言い方で語るのは、自分の実感を超えている。温度と成分が違えば感じ方が違うのは当然としても、それ以上のことは、たぶん誰にもわかっていない。
この記事は、その「わかっていない」の中身を、制度と数字の側から確かめ直したものだ。泉質も、かけ流しも、湯上がりのビールも、確かめ直すと、思っていた話とずれていた。
法律の「温泉」は、何を満たせばよいのか
温泉法で「温泉」とされるのは、地中からゆう出する温水や鉱水などで、温度が25℃以上であるか、決められた19の物質のどれか一つが基準以上に含まれているもの、である(条文の別表による)。つまり、温度が25℃以上あれば、成分が水道水とほとんど変わらなくても、法律の上では温泉になる。環境省の令和6年度の統計では、日本の源泉27,899のうち、25℃未満の冷鉱泉が4,074(約14.6パーセント)、42℃以上が12,695(約45.5パーセント)だった。25℃以上の源泉は約7割(19,558)だが、そのうち、温度だけで温泉になっている源泉がいくつあるのかは、この統計からはわからない。利用されている源泉は16,868で、全体の約60.5パーセントにとどまり、11,032の源泉は使われていない(私の割り算を含む)。温泉地は2,839、宿泊施設は13,425、年間の延べ宿泊利用人員は約1億2,541万人で、1施設あたりにならすと、1日に約25.6人になる(これも私の計算である)。
「泉質」という言葉は、別の物差しだ。環境省の鉱泉分析法指針(2014年改訂)が、療養泉の定義と泉質の分類を決めている。療養泉は、温度が25℃以上であるか、溶存物質(1キログラムあたり1,000ミリグラム以上)をはじめとする七つの物質のどれか一つが基準以上であるものだ。泉質名を付けられるのは、この療養泉だけで、療養泉でない温泉には泉質名を書けない。
泉質で温泉を選ぶ、と言ったとき、自分が頼りにしているのは、法律の「温泉」の定義ではなく、この泉質の区分のほうだ。同じ「温泉」という語が、法律の温泉と、34℃以上42℃未満という泉温の区分の二つの意味を持つことも、調べて初めて知った。
「源泉かけ流し」は、法律の言葉ではない
かけ流しを選ぶ基準にしているのに、この言葉には、法律上の定義がない。温泉法の施行規則第10条が掲示を求めているのは、源泉名、泉質、温度、成分、分析年月日、禁忌症、入浴の注意と、加水・加温・循環(ろ過を含む)をしている旨とその理由、入浴剤の名称または消毒の方法とその理由である。この条文のどこにも、「かけ流し」「源泉100パーセント」「天然温泉」という語は出てこない。かけ流しかどうかは、加水・加温・循環・消毒の掲示から、読む側が推論するしかない。
業界団体の用語はある。日本温泉協会の用語解説では、「源泉かけ流し」は、浴槽に常に新しい湯を注いで溢れさせ、溢れた湯を再び浴槽に戻して使わない状態を指し、加水はできないが、加温は理由を示せばできる。「源泉100パーセントかけ流し」は、これとは別で、加水も加温もできないものとされる(法的な拘束力はない)。かけ流しは、必ずしも無加温ではない。
公正取引委員会は2003年の実態調査報告書で、加水、加温、循環ろ過をしているのに「源泉100パーセント」「天然温泉100パーセント」と強調する表示は、消費者に誤認を与えるおそれがある、という考え方を示した。2004年には、愛媛県が、加水も循環ろ過もしていないが加温だけをしていた施設に、「源泉100パーセント」の表示を改めるよう口頭で指導している。加温しただけでも、「源泉そのまま」とは言えないという扱いだった。
かけ流しなら、安全なのか
塩素で消毒される循環式を避けたい、という気持ちには、私も覚えがある。塩素を入れるのは、循環させて使う湯の中で菌が増えるのを抑えるためである。では、かけ流しのほうが衛生的なのか。
レジオネラ症は、浴槽水を介して感染しうる。国立感染症研究所(現在の公表元は国立健康危機管理研究機構)の届出の集計では、患者の届出は1999年が56件(4月からの部分年)、2002年が167件、2024年が2,428件と増えた。これは検査や届出の体制が変わった影響も含む数字で、感染源の内訳を示すものではない。厚生労働省の公衆浴場の衛生管理要領は、浴槽水の遊離残留塩素の濃度を、通常0.4ミリグラム毎リットル程度、最大でも1ミリグラム毎リットルとしている(2006年版は0.2から0.4だった)。これは国の技術的助言で、実際の基準は、都道府県などの条例である。
古畑らが2004年に『感染症学雑誌』に発表した調査は、2003年から2004年にかけて浴槽水を調べ、レジオネラ属菌の分離率が、循環式で38.0パーセント(100試料中38)、かけ流しで27.3パーセント(249試料中68)だったと報告した。平均の菌数は、100ミリリットルあたりの集落形成単位(CFU/100mL)で、1,702対939だった。有意な差はなかった。pH3以下の湯では、分離率が4.9パーセント(41試料中2)だった。この調査は、無作為抽出ではない。かけ流しだから菌がいない、とも、かけ流しのほうが危ない、とも言えない。なお、かけ流しの浴槽が感染源と特定された患者の事例は、私が調べた範囲では見つからなかった。届出の統計に、湯の供給の形態別の内訳があるわけではない。
泉質の効能書きと、確かめられていること
泉質についても、調べれば調べるほど「使われている表現」と「わかっていること」の差に気づく。硫黄泉が「頭を空にする」とか、炭酸泉が「思考を深化させる」といった言い方は、まとめサイトやガイドブックの中で繰り返されているだけで、出典を辿れることはほとんどない。ただ、炭酸泉については、思考への効果はともかく、体への効果なら裏付けがないわけではない。
Hasyar らが2021年に、健康な成人39人を対象に、38℃の二酸化炭素を含む水に脚を浸してもらった実験では、末梢の血流量が、浸漬前の4.34から、浸漬中の6.57、浸漬後の4.72へと変わった(論文の表記の単位のまま、mL/分)。血管が拡張して血流が良くなるという生理的な変化そのものは、実験室レベルで確かめられている。一方、この実験には、普通の38℃の湯に浸かる条件がない。血流が増えたのが、炭酸のせいなのか、温水のせいなのかは、この論文だけでは分けられない。
この点を調べた別の研究がある。Ogoh らの2016年の実験(12人、20分、抄録による)では、1000ppmの二酸化炭素を含む38℃の水と同じだけ皮膚の血流を増やすには、普通の水道水では約43℃が必要だった。炭酸の効果は、5℃ほどの温度の差に相当する。そして、これはあくまで血流の話であって、「思考が深まる」という頭の中の効果まで裏付けているわけではない。効能書きの多くは、確認されている部分(血流)と確認されていない部分(思考)を、都合よく一つの文にまとめて売っているだけなのかもしれない。実際に浸かってみて、ただ気持ちがいい、あるいは肌がつるつるする、という程度のことしか、自分には言えない。それでも、成分表を見比べて「今日はどっちの湯にしようか」と考える時間そのものは、単純に楽しい。
温泉分析書を読む
温泉分析書を眺める習慣もついた。pH値や溶存物質量を見ても正直よくわからないことのほうが多いが、脱衣所の前でそれを読み解こうとする数分間は、ただの入浴を少しだけ能動的な時間に変えてくれる。効能を鵜呑みにするためではなく、自分がこれから浸かる湯がどういうものかを、少しでも知っておきたいだけなのかもしれない。
読み方にも、制度の側のくせがある。温泉法は、分析を10年ごとに受け直し、結果を受け取った日から30日以内に掲示を変えるよう求めている。つまり、掲示されている成分は、最大で10年前の分析かもしれない。2014年の通知は、掲示を利用施設での成分分析にもとづいて行うことを原則とし、湧出口と利用施設の間で成分に差がないと認められる場合に限って、湧出口の分析結果で掲示してよいとしている。pHは、現地の測定で、3未満が酸性、3以上6未満が弱酸性、6以上7.5未満が中性、7.5以上8.5未満が弱アルカリ性、8.5以上がアルカリ性と区分される。浴槽の値か湧出口の値かは、掲示だけでは分からないことがある。
適応症の表示についても、公正取引委員会は2003年の報告書で、パンフレットなどの表示について、源泉を基準に判断したものである旨を明瞭に示し、浴槽内の湯を基準にしたかのような誤認を与えないよう求めている。浴槽の湯について適応症を表示するなら、実際に使う浴槽の湯が、療養泉の基準値を保っていることを確かめる必要がある、という考え方だ。パンフレットの「効能」は、湧き出した湯についての記述であることがあり、自分が浸かる湯の保証とは限らない。
月一の素泊まりと、入浴の頻度
頻度についても考えが変わった。年に一度、奮発して豪華な旅館に泊まるより、五千円前後の素泊まり宿に月一くらいのペースで通うほうが、自分には合っている気がする。派手な体験としては前者に軍配が上がるのだろうが、日常の底を少し押し上げてくれるという意味では、後者のほうが効いている実感がある。素泊まりの比率や料金を示す統計は、観光庁の宿泊旅行統計に食事の区分がなく、今回は確認できなかった。
頻度についての大きなデータはある。国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)で、Ukai らが2020年に発表した分析だ。1990年から約20年(2009年まで)追跡し、循環器疾患とがんの既往がなく、入浴習慣についてのアンケートに回答した30,076人を調べた。湯船に浸かる頻度が「週2回以下」の人に比べて、「ほとんど毎日」の人は、虚血性心疾患のハザード比が0.65(95パーセント信頼区間は0.45から0.94)、脳卒中が0.74(0.62から0.87)だった。つまり、リスクが35パーセントと26パーセント低い。
数字には、読み方がある。虚血性心疾患の信頼区間は、6パーセントから55パーセントの低下という広い幅で、傾向を見る検定のp値も0.065だった。心筋梗塞と心臓突然死は、個別には有意でなかった。いちばん大きく、はっきりしていたのは脳出血(46パーセント低下)で、くも膜下出血は関連がなかった。しかも、これは温泉の研究ではない。家庭の湯船を含む「湯船に浸かる」という行為の頻度についての結果で、硫黄泉だろうと単純泉だろうと、この研究の枠組みでは区別されていない。観察研究なので、湯船に浸かる人が、もともと健康だった可能性も残る。湯の温度や入浴の時間、冬の入浴の扱いは、抄録からは確かめられなかった。
ただ、それは毎日の家の風呂の回数の話で、月一の旅の話ではない。年に一度の豪華な湯と、月一の素泊まりを比べたデータは、ない。「温泉」でなければならない理由も、このデータからは出てこない。月一の素泊まりが自分に合っている、というのは、自分の感覚の話であって、誰にでも当てはまる法則ではないだろう。
長く滞在することの意味
長期滞在、いわゆる湯治についても、「三日目から自律神経が劇的に改善する」というような言い回しをよく見かけるが、これも根拠を確認したことがない。環境省の2014年の通知は、短期間でも精神的なリフレッシュなど相応の効用が得られるとしたうえで、十分な効用を得るには「通常2〜3週間」を要するとしている。これは療養の目安の記述で、観光の旅のものではない。それとは別に、二泊三日で慌ただしく観光地を回るのと、三泊してただ湯に浸かっては本を読む生活を繰り返すのとでは、帰ってきたときの疲れの残り方が違う。それが自律神経のどの部分に何をもたらしているのかは、自分にはわからない。わからないまま、それでも通っている。
休暇の効果を測った研究を、短い旅の頻度と長い滞在の対比の側から見ておく。de Bloom らが2013年に54人を追った研究では、平均23日の休暇の効果は8日目をピークに現れ、仕事に戻って1週間で、休暇前の水準に戻った。4泊の休暇を、ホテルで過ごす群と自宅で過ごす群に無作為に分けたBlank らの2018年の研究(40人)では、どちらの群でも、30〜45日後にも効果が検出された。休暇の効果は人によって、逆に出ることもある。冬のスポーツ休暇の96人を調べたde Bloom らの2011年の研究では、60パーセントが改善、23パーセントが変化なし、17パーセントが悪化だった。「短い旅を頻繁に」と「長い滞在」を直接比べた研究は、今回の調査では見つからなかった。長さよりも、どう過ごしたかが効いているように見えるが、これは数少ない研究からの読みにすぎない。
入浴の事故の数字
温泉の話をしているのに、入浴の事故に触れないのは、やはり片手落ちだろう。東京都監察医務院の資料によれば、東京23区の令和4年の入浴中の死亡は1,704件で、そのうち病死が1,323件(77.6パーセント)、溺水が196件(11.5パーセント)だった。直近5年(2018〜2022年)の平均で1日あたりの件数を見ると、1月は8.8件、7月から9月は1.6〜1.7件で、約5倍の開きがある。寒い季節ほど、脱衣所と浴室と湯の温度差が大きいからだ、という説明がよく添えられるが、この資料から言えるのは、件数の季節による差までである。浴槽内で溺れて亡くなった人は、全国で2024年に7,776人という統計もある(消費者庁が人口動態統計を引いたもの)。これは別の統計で、東京23区の数字とも、レジオネラ症の届出数とも、並べられない。
温度の話は、別の記事で扱ったので、ここでは触れない。
風呂上がりの一杯が、旅館の食事より効くことがある
この手の一人旅では、食事も豪華な会席より、風呂上がりに素泊まり宿の周りで買ったコンビニのつまみとビールで済ませることが増えた。旅館の懐石より、缶ビールと乾き物のほうが満足度が高いと感じる瞬間があるのは、我ながら不思議だった。
これにも、それらしい説明がある。生理学者ミシェル・カバナックが1971年に学術誌『サイエンス』で示した「アリーセシア」という概念によれば、同じ刺激でも、それが快いか不快かは、その時の体の内部状態によって決まる。1971年の論文は、被験者が水浴に体を浸して深部の温度を変え、10℃から50℃の水に左手を30秒浸して、快・不快を5段階で答えるものだった。直腸温が36.3〜36.6℃の低体温の状態では冷たい水が不快で、37.1℃以上の状態では冷たい水が快く感じられた。体温を下げた人は温かい刺激を、上げた人は冷たい刺激を好む、という例としてよく引かれる「温水グローブの温度を選ぶ」課題は、1971年の論文ではなく、1970年代前半の少人数の実験(1974年の論文では4人)のものである。1971年の論文自体は、多くの例を並べた総説に近く、図1は被験者1人の例だ。刺激そのものの質より、その刺激が体の平衡をどちらに戻してくれるかが、快・不快を決めている。
温泉で芯まで温まった直後の体は、まさに「冷たい刺激が快く感じられる」状態にあるのかもしれない。そこで飲む冷えたビールが、部屋でだらだら飲むビールよりうまく感じられるのは、味覚の問題である以前に、体温の平衡を戻そうとする体の側の要求と、刺激の向きがたまたま一致しているからなのかもしれない。豪華な会席料理がその瞬間に負けることがあるのも、料理の質の問題ではなく、体が今いちばん欲しがっている刺激の種類が、繊細な出汁の風味ではなく、単純な「冷たさ」だから、というだけの話だとすれば筋が通る。
もう一つ、冷たい飲み物の側からの裏づけもある。40℃の水と15℃の水を比べたHubbard らの1984年の研究(29人)では、温かい水は(暑熱下の模擬歩行での実験だが)脱水していても飲まれにくく、冷却と味つけを組み合わせると、飲む速さが120パーセント増えた。2012年の系統的レビュー(Burdon ら)は、運動中の飲水についてではあるが、冷たい飲み物や涼しい飲み物は約50パーセント多く飲まれるとまとめている。湯上がりの冷たい一杯は、快いだけでなく、水分を取り戻すことにも、役に立っているのかもしれない。
つまみのほうはどうか。汗をかいたあとの塩分の補給は、ナトリウムを入れた飲み物で調べた研究がある(Shirreffs と Maughan、1998年)。しかし、塩辛い乾き物が、固形の食品として飲水を促すことを直接確かめた研究は、見つからなかった。湯上がりに塩辛いものが欲しくなる、という感覚があっても、それがどんな仕組みなのか、何を補っているのかは、わかっていない。日本の公的な水分補給の目安も、環境省の「コップ一杯程度」のほかに、ミリリットルの数字を示したものは確認できなかった。
ビールは、水の代わりになるのか
ビールが水の代わりになるかどうかは、別の問題だ。運動後の脱水を調べたShirreffs と Maughan の1997年の研究では、飲み物のアルコール濃度が2パーセントまでなら水との差がなく、4パーセントでは回復が遅れる傾向があった。Flores-Salamanca らの2014年の実験(11人)では、約1.6リットルを1時間で飲んだあとの尿量が、水で774ミリリットル、4.6パーセントのビールで1,218ミリリットルだった。一方、660ミリリットルまでなら差がなかった、とする研究(Jiménez-Pavón ら、2015年、16人)や、5時間後の水分の保持率が、水で34パーセント、5パーセントのビールで21パーセントと、有意差がなかったとする研究(Wijnen ら、2016年)もある。研究は割れている。
これらは、いずれも運動後の脱水を調べた実験で、入浴後の飲酒そのものを調べたものではない。環境省の「健康のため水を飲もう」推進運動のページは、アルコールは水分補給に適さないと書き、温泉の掲示の基準を示した通知には、入浴後にコップ一杯程度の水分をとる、とある。入浴で失う水分量を直接測った研究は、見つからなかった。「入浴で約800ミリリットルの水分を失う」といった数字をよく見かけるが、その出どころは確かめられていない。湯上がりのビールがうまい、ということと、水分補給になっている、ということは、別の話だった。
効能を言わずに、通っている
ここまで確かめた結果を、並べてみる。温泉という言葉は、温度でも成分でも成り立つ。かけ流しは、法律の言葉ではない。かけ流しだから衛生的だとも、循環式だから不衛生だとも言い切れない。炭酸泉の血流の増え方は、普通の湯なら5℃ほど高い湯に相当する、という小さな実験がある。入浴の頻度と心血管疾患の関連は、湯船全般の話で、温泉の話ではない。休暇の効果は長さだけでは決まらず、湯上がりのビールの水分補給は、研究が割れている。
効能の証明は、一つも手元に残らなかった。それでも、泉質を調べて、素泊まりで通い、湯上がりに冷たい一杯を飲む、という自分の過ごし方は、変わらない。変わったのは、その過ごし方を、「効くから」と説明する言い訳が減ったことのほうだ。
出典
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