趣味
2026

「夢中」の条件は、余暇より仕事の最中に3倍多くそろっていた——ポケベルで調べた1989年の論文
夢中を探すなら休日、と考えがちだ。だが1989年に発表された、シカゴの働く人にポケベルを持たせた調査では、挑戦も技能もふだんより高い時間の割合が、仕事中は54%、余暇中は17%だった。直接測り直しても向きは変わらなかった。それでも1989年の調査の参加者は、仕事中に別のことをしたがっていた。
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温泉の効能は、どこまで確かめられているのか
温泉法上は、25度以上であれば成分が薄くても温泉になる。掲示の義務は禁忌症と、加水・加温・循環・入浴剤の別にあり、適応症にはない。コクランは関節リウマチを「証拠不十分」とした。家庭の浴槽を含む浴槽内の溺死・溺水は、2025年に8,031人。
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「もったいない」を、少し疑ってみる。――趣味とサンクコストの心理学
趣味に投じた金額と時間は、続けるかやめるかの判断とは無関係のはずだ。鳩の実験からNBAのドラフトまで、サンクコスト効果をめぐる研究を辿る。
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草・雲・星をただ眺める効能は、数字にすると小さかった
手ぶらで外に出て、草・音・雲・星を眺める。自然の効果は血圧で約3 mmHg、病室の窓は入院日数で約0.7日。数字を原典にたどると、効能より先に、日本の空の意外な姿が見えてきた。

40代の趣味ランキング、上位10記事に調査の母数はなかった
「40代 趣味 男性 ランキング」の上位10記事のうち、アンケートの母数を示したものは0件だった。順位が人気を増幅する実験や、40代男性の余暇の統計と並べて、ランキングで趣味を選ぶ心理を調べた。

「面白い趣味」を探しても、たぶん見つからない理由
面白さは活動ではなく、活動と自分のあいだで起きる反応だ。好きな曲を9回聴く楽しさの実験では、1分の間をあけるだけで「混ぜて聴くほうが楽しい」が逆転した。面白い趣味が見つからない理由と、弱点つきの始め方を四つ。

「家のほうが続く」という結論は、1つの試験に支えられていた
「家でできる趣味」を探す理由は、摩擦の少なさか、視線のなさか。習慣の研究、社会的促進、運動の継続のメタ分析、日本の統計を原典にたどると、よく語られる説明は、きれいには確かめられなかった。

趣味が続かない理由は「動機」のズレ? 没頭を生む3つのタイプと、余白の選び方
好みに合わせて活動を割り当てても、継続は変わらなかった実験がある。趣味が続かない理由を「動機のズレ」だけで説明できるか、運動や余暇の研究で確かめ直した。6問の集計つき。

「贅沢な不便さ」と言いたくなるときに疑っておきたいこと
フィルムカメラのダイヤルを回す手応えを「贅沢な不便さ」と呼ぶ言説を、不便益の研究、効果ヒューリスティック、そして「切断できることは特権である」という指摘から検証する。

「ソロキャンプの次」を探す前に、飽きの正体をばらしてみる
ソロキャンプに飽きたとき、失ったのは何だったのか。自己決定理論の「自律」は独立とは別物で、難問で自信を揺さぶられた群では自分で組み立てたい人が58%(易問の群は33%)。次の手段を四つ、メリットとデメリットで並べる。

温泉から帰った翌朝、静けさはどれくらい保つものなのか——復帰初日の終わりには、休暇で減った仕事の反すうの4分の1が、もう戻っていた
休暇の中ほどで下がっていた仕事の反すうは、職場に戻った初日の終わりまでに、下がった分の4分の1が戻っていた。2週間後にはほぼ休暇前に戻ったが、リラックスの感覚は残った。戻る速さは、静けさの種類ごとに違った。

温泉旅館の豪華な夕食を、少し残すという選択——食後、脳の血流は変わっていなかった
食後に眠くなるのは血が消化器に集まるから、という説明は、測定では支持されなかった。腹部の血流は約30%増えるが、脳の血流は変わらない。宿泊施設の夕食の食べ残しは14.8%(平成21年度調査)。

42度と38度、湯温を変えると何が変わるのか——「入浴で腹囲が数センチ縮む」は実測で0.8センチだった
体温に近い水でも、首まで浸かると心拍出量は約5割増えるが、「入浴で腹囲が数センチ縮む」という通説の実測は0.8センチだった。体温の上がり方は、研究室と家庭の風呂で数倍違い、ヒートショックプロテインの研究も、42度超の湯のものではなかった。42度と38度の湯で、体に何が起きるのかを数字でたどる。

電波の届かない温泉宿を、あえて選ぶ理由——スマホが机にあるだけで頭が鈍る、という実験は直接の追試で再現しなかった
圏外の温泉宿を選ぶ理由を、研究に当てて確かめる。スマホが視界にあるだけで頭が鈍るという実験は、事前登録の追試で再現せず、自然による注意の回復も、追試で割れた。標高の高い宿では、血圧は上がり、睡眠は浅くなる方向に動いた。

強酸性の湯とアルカリの湯、肌には何が起きているのか——pH2の湯でも、健康な皮膚のpHは4.9から4.5にしか下がらなかった
pH9.5の石けんで洗うと、10分後の皮膚のpHは0.45上がり、pH約8の水道水でも最大6時間上がったままになる。一方、pH2の草津の湯に入っても、健康な皮膚のpHは4.9から4.5に下がっただけで、まもなく元に戻った。「酸が菌を減らす」という説明も、酸だけでは足りなかった。

温泉で「効いた」と感じるとき、何が効いているのか——水道水の風呂でも膝は良くなり、温泉水の群はそれを上回った
遠くて不便な温泉で「効いた」と感じるのは、何のおかげなのか。温泉水と、色と匂いを似せた水道水に分けた58人の膝の試験では、水道水の群も改善した。厳しい入会ほど好意が増す実験は追試で割れ、何もしない時間は思ったより難しい。

「効率化」という言葉を使わずに、冷蔵庫の中身とどう付き合うか
1903年の料理書は、すでに厨房の管理を書いていた。「効率化」の語彙が暮らしを軽くするのか窮屈にするのかを、家事の統計と古い資料で確かめ直した。

モノを直すと気持ちは支えられるのか
逃げられない電撃を受けた犬の3分の1は無力にならなかった。学習性無力感の原典と、提唱者自身による見直し、修理の実験から、直すことの効き目を確かめ直した。

メイラード反応の数字は、どこまで確かめられているか
「140度から始まる」に一次出典は見つからなかった。メイラード反応とカラメル化、肉の温度、アクリルアミド、うま味の相乗効果の数字を、原典に当たって確かめ直した。

マシュマロ実験の神話と、発酵という待つしかない時間
「待てる子は成功する」というマシュマロ実験の相関は、追試で大きく縮んだ。それでも台所で発酵を待つ人がいるのはなぜか。待つことの心理学を、発酵という待つしかない時間から考える。