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作業机を、何度も組み替えてきた話

作業机を、何度も組み替えてきた話

おしゃれな部屋作りとは少し違う動機で、机まわりを何度も見直してきた。散らかった配線、合わない椅子、白すぎる照明。集中を妨げているものを一つずつ確かめていった記録。

TOMOAKI··建築

仕事や物を書く場所として、自分の机をきちんと見直したのは、ここ数年のことだ。それまでは「与えられたもの」をそのまま使っていた。会社員時代の支給デスクはもちろん、自宅の机や椅子も、特に選んだ記憶がないまま、なんとなくそこにあるから使っていた。

きっかけは、大した話ではない。作業中に何度も視線が逸れることに気づいたからだ。目の端に映る書類の山、足元で絡まったケーブル、埃をかぶった使っていないガジェット。それぞれは些細なものだが、視界に入るたびに「これは何だったか」「片付けなければ」という小さな処理が発生している気がした。心理学でいうツァイガルニク効果、未完了の物事のほうが記憶に残りやすいという現象を持ち出すまでもなく、単純に目障りだった。

「おしゃれな部屋」を目指したわけではない

ここで整理しておきたいのは、これはインテリアを整える話とは少し違う、ということだ。見た目の統一感や居心地の良さを追求する人もいるだろうし、それはそれで正当な目的だと思う。ただ自分がやっていたのは、もう少し即物的なことで、「作業を始めるまでの摩擦を減らす」というだけだった。使いたい道具がすぐ手に取れるか。必要な情報が一度に視界に入るか。姿勢が崩れずに同じ状態を保てるか。美しいかどうかより、そちらのほうが気になった。

実際に変えたもの

手をつけた順に並べると、まず視界に入るものを減らした。今やっている作業に関係のないものは机の上に置かない、というだけの単純なルールだが、効果は体感できた。次に配線を整理した。電源タップを増やし、ケーブルをまとめて隠しただけで、机の下を見たときの落ち着き方が違う。厳密に検証したわけではないが、視界からケーブルの塊が消えると、「あとで片付けなければ」という小さな未処理タスクが一つ減る感覚はある。

照明も変えた。天井の白い光だけだった部屋に、手元の暖色照明を足した。色温度と体内時計の関係についてはいくつかの研究があるようだが、家庭の照明を変えただけでどこまで生活の質が変わるのかは、自分では確かめようがない。ただ、作業を終える時間の目安として、照明を切り替えるという儀式のようなものが一つできたのは悪くなかった。最後に椅子を見直した。これは正直、一番地味で、一番効果を実感した変更だった。安い椅子で長時間座っていたときの疲労と、多少お金をかけた椅子とでは、一日の終わりの体の重さが明らかに違う。

整えた環境を、また崩す

一つ気づいたのは、整えた環境はほうっておくとまた崩れていくということだ。使い終わった書類は積み上がるし、ケーブルはいつの間にか増える。だから作業を終えるときに、机の上を一度リセットする習慣をつけた。大げさなものではなく、出したものを元の場所に戻すだけのことだが、翌朝机に向かったときの気持ちの入りやすさが違う。

これらは別に目新しい工夫ではない。片付けや配線整理、椅子選びの話は、探せばいくらでも出てくる。ただ、自分の場合はそれを一つずつ確かめながらやったことに意味があった気がする。机を整えたからといって、劇的に集中力が上がったとは言い切れない。それでも、視界に引っかかるものが減った分だけ、目の前の作業に戻ってくるまでの時間は、たしかに短くなったように思う。