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机の上から物を減らすと、本当に集中できるのか

机の上から物を減らすと、本当に集中できるのか

「視覚的ノイズ」を消せば集中力が戻る、という理屈を一度疑ってみる。片付けた直後の心地よさと、実際に効いていることの間には、案外距離がある。

TOMOAKI··建築

机の上を片付けると集中できる、という話をよく見かける。視界に入るものが少ないほど脳が処理する情報量が減り、思考のための余力が残る、という理屈だ。理屈としては筋が通っている気がするし、実際、片付けた直後の机を眺めると気分がいい。ただ、その気分の良さと、そのあと実際に集中できているかどうかは、たぶん別の話だ。

片付けた直後は、たいてい気持ちがいい

何もない机を見て晴れやかな気分になるのは事実だと思う。ただ、その効果がどれくらい続くのかは、あまり検証したことがなかった。自分の場合、片付けた直後の一時間くらいは確かに作業に入りやすい。半日経つ頃には、机の上の状態よりも、その日抱えている用事の数のほうが集中力を左右している気がする。片付けが効くのは本当だとしても、効く範囲は思っていたより狭いのかもしれない。

視界に入る物は、本当に「問い」を投げかけてくるのか

出しっぱなしの書類や飲みかけのマグカップが視界に入るだけで、脳が無意識に「いつ片付けるか」を判断し続けている、という説明を読んだことがある。もっともらしく聞こえるけれど、自分の体感としては、そこまで律儀に反応している自信がない。書類が目に入っても、締切が近くなければ大抵は素通りしている。気になるかどうかは、物が視界にあることより、その物にまつわる未処理の予定があるかどうかで決まっている気がする。だとすると、片付けるべきなのは机の上ではなく、頭の中の予定表のほうなのかもしれない。

それでも残っている実感

それでも、いくつか実際に助かっている工夫はある。よく使う道具を手の届く場所に置き、めったに使わないものは引き出しや別の棚に移す。これだけで、探し物をする回数は確実に減った。配線がデスクの端でひとまとめになっていると、椅子を動かすたびに何かに引っかかる心配がなくなる。これは集中力の話というより、単純に作業の摩擦が減るという話で、大げさな理屈を持ち出さなくても十分に納得できる。

色を揃えるとか、境界線を消して空間を広く見せるとか、そういう工夫も試したことはある。見た目は確かに整うが、それで作業がはかどったかと聞かれると、正直よくわからない。整った部屋を写真に撮りたくなる気持ちと、実際に手を動かしたい気持ちは、似ているようで別のものなのだと思う。

片付けは目的ではなく、たまにやる確認作業

結局のところ、机の上を定期的に見直すのは悪いことではない。ただそれを「集中力を最大化する要件定義」のように語り直す必要は、たぶんない。しばらく放っておいた場所に、なぜか居座り続けている物がないかを、たまに確かめる。それくらいの頻度と態度で十分な気がしている。