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Vol.04:保証シールを剥がして、中を見てみる

Vol.04:保証シールを剥がして、中を見てみる

ノートパソコンの発熱が気になり、保証を切ってでも分解して掃除するかどうか悩んだ話。修繕をめぐる連載の4回目。

TOMOAKI··修理する権利

数年使っているノートパソコンのファンが、以前より高い音で回るようになった。膝の上に置くと明らかに熱く、動作も心なしか重い。買い替えの時期かと一瞬思ったが、原因を調べてみると、内部にたまった埃がヒートシンクをふさいでいるだけの可能性が高いという記事がいくつも出てきた。埃を取れば直る話なら、買い替える前にやってみたい。

「Void if Removed」の手前で立ち止まる

裏蓋のネジの一つに、剥がすと保証が無効になる旨のシールが貼ってあった。保証期間はとうに過ぎているので実害はないはずだが、それでも一瞬、手が止まった。メーカーが「開けるな」と言っている場所を開けることに、思っていたより抵抗があった。

考えてみれば、この抵抗感自体が、うまく作られたものなのかもしれない。中を見せない設計にしておけば、不調の原因をユーザーが特定できず、「動作が重い」「熱い」といった漠然とした不満だけが残り、買い替えという選択肢に流れやすくなる。もっとも、これはメーカーの陰謀というより、修理を前提にしない製造ラインの都合が先にあって、結果としてそうなっているだけだろうという気もする。どちらにせよ、開けてみないことには何もわからない。

開けてみてわかったこと

特殊な形状のネジに合うドライバーを買い、慎重に裏蓋を外すと、ファンの羽根と、ヒートシンクの隙間に、想像していた以上の綿埃がびっしり詰まっていた。エアダスターと細いブラシで取り除き、経年で乾いて固まっていた熱伝導グリスを拭き取って塗り直した。作業自体は一時間もかからなかった。

組み立て直して電源を入れると、ファンの音は明らかに静かになり、発熱も落ち着いた。動作が重く感じられていたのも、体感では大部分が解消された。あれほど身構えていた作業の割に、原因は埃という、拍子抜けするほど単純なものだった。

修理と買い替えのあいだ

今回に限って言えば、機械の寿命ではなく、掃除をしていなかっただけの話だった。とはいえ、いつもこう都合よくいくとは限らない。バッテリーの劣化のように、内部の部品そのものを交換しないと直らない不調もあるし、リチウムイオン電池は扱いを誤ると発火の危険もあるから、そこは慎重になる必要がある。

ただ、不調の理由を「もう寿命だから」で済ませてしまう前に、一度中を見てみるという選択肢があることは、この一件で少し実感できた。開けてみて何も直せなかったとしても、少なくとも何が起きているのかは分かる。分からないまま買い替えるより、分かった上で判断する方が、多少は納得がいく気がする。