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2026

分解できないモノを、所有と呼んでいいのか
1932年、恐慌対策として政府が全製品に法律で「寿命」を割り当てるという案が真剣に検討された。中を開けられない今の製品は、その発想からどれだけ遠いのか。

Vol.06:部屋の間取りに、なぜ自分を合わせてしまうのか
「2LDK」という型に暮らしを合わせることと、家具の配置や照明を自分の生活リズムに合わせて考え直すことは、何が違うのか。修繕をめぐる連載の最終回として、住まいについて考えたことを書く。

Vol.05:良い音を求めて、どこまでお金と手間をかけるべきか
圧縮音源とワイヤレスの何が実際に音を変えているのか。電源ケーブルや接点復活剤のような、効果の怪しい儀式との境目はどこにあるのか。音について書く五本目の記事。

Vol.04:保証シールを剥がして、中を見てみる
ノートパソコンの発熱が気になり、保証を切ってでも分解して掃除するかどうか悩んだ話。修繕をめぐる連載の4回目。

Vol.03:がたつく家具に、金具を足してみる
組み立て式の家具がなぜ半年ほどで揺れ始めるのかを調べ、金属の補強金具を足してみた話。修繕をめぐる連載の3回目。

Vol.02:破れを隠さずに繕うということ
刺し子や当て布で服の破れを目立つように繕う「visible mending」について。直して着続けることは、修繕をめぐる連載の2回目として考えてみたい。

Vol.01:壊れたものを、すぐに買い替えなかった話
接着剤で密閉され、分解を拒む製品が増えている。修理をめぐる連載の最初に、なぜ自分で直してみたくなるのかを考えてみる。
2024

ふすまを自分で貼り替える、という賭け
表具師に頼めば数千円で済む作業を、自分の手でやってみた。賃貸の襖には他の内装と違う勘定がかかっていて、クロスと違い経過年数で負担が目減りしない。

タンスに眠る着物になぜ鋏が入れられないのか
譲り受けた着物を前に手が止まるのは優柔不断のせいではない。拡張自己、保有効果、イケア効果、贈与論、そして縮小した着物市場のデータから、その迷いの正体を分解する。

眠っていた帯を、もう一度使うということ
箪笥の奥にしまい込んだままの帯を、パネルやブックカバーに仕立て直す。「対話」でも「儀式」でもなく、ただの布の再利用として書いておく。

七歳で消える記憶のために、なぜベビー服を残すのか
ベビー服が捨てられないのは子どもの思い出のためだと思っていた。だが子ども自身はその時期をほぼ記憶しない。移行しているのは誰で、証拠として残されているのは何の記録なのか——発達心理学と消費者研究の知見から、この矛盾を辿る。

シャツより自由な布、ハンカチだけが持つ作り替えの選択肢
鼻をかむ布としての地位を失ったハンカチは、実はシャツやネクタイより作り替えの選択肢が多い。ラビッシュ理論とアフォーダンス理論から、その理由を追う。

トイレのドアだけを、リメイクしてみる
面積が小さく、失敗しても被害が少ない場所として、トイレのドアはDIYの練習に向いている。賃貸でも試せる範囲の手順と、実際につまずいたところをまとめた。

ワイシャツのリメイクで小物を作る前に、2700リットルの水の話
コットン一枚を作るのに使われる水は、Water Footprint Networkの試算でおよそ2700リットル。だがその数字を知っても、リメイクの効果は思うほど大きくない。環境省の調査が示す「未着用のまま眠る139万トン」という別の数字と、着なくなったワイシャツを解体しながら向き合った記録。

古着を切る前に、何を壊しているのかを考える
国内で年間に手放される衣類のうち、リユースもリサイクルもされず焼却・埋め立てに回る分だけで47万トン——環境省の推計による数字だ。その桁と、自分の手元の一着との距離を測りながら、古着リメイクの手順とメンテナンスの工夫を書いた。

ネクタイがスカーフになるとき、消えるものと残るもの
ネクタイという物が背負っていた意味は、結ばれなくなった瞬間に消えるわけではないらしい。仕立て直すという手作業を通して、物の役割がどう組み替えられるのかを追う。

羊毛のうろこは、なぜ一方向にしか動かないのか
古いセーターを切る前に湯で縮ませてフェルト化させる作業には、繊維一本ごとに仕込まれた一方通行の仕組みと、後戻りできないことへの心理的な抵抗の両方が関わっている。損失回避、決定の不可逆性、そしてモノの「単一化」をめぐる研究を手がかりに、鋏を入れる前の逡巡を分解する。

卒業したランドセルを、また使えるものに仕立て直す
6年間使ったランドセルを、ミニチュアにして飾るのではなく、日々使える財布やカードケースに仕立て直す。なぜそちらの方が長く付き合えるのか、リメイクの実際について考えてみる。

服は全部残せなくても、少しなら残せるという理屈
着なくなった服の襟を一片だけ切り取って、残りは手放す。全部を諦めることと、少しも諦めないことの間にある、この中途半端な選択の心理的な仕組みを、記念品の実験と、割れた粘土板の歴史から追う。

ジーンズの色は、外側からしか抜けない
藍は繊維の芯まで染まらない。色落ちは劣化ではなく、表面だけが摩耗して白い芯が覗く現象だ。この一点をたどると、偽の色落ちを作るために命を落とした工場労働者や、由来のない「それらしさ」を売る市場が見えてくる。膝の薄くなったジーンズを前にして、生地の物質的な性質から手の入れ方を考え直した記録。