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ネクタイをスカーフにリメイクする手順の流れと、残るもの
ネクタイをスカーフにリメイクする手順の流れを、構造、アイロン、端の始末の方法ごとに、資料から整理する。そのうえで、仕立て直しで消えるものと残るものをたどる。

羊毛のうろこは、なぜ一方向にしか動かないのか
古いセーターを切る前に湯で縮ませてフェルト化させる作業には、繊維一本ごとに仕込まれた一方通行の仕組みと、後戻りできないことへの心理的な抵抗の両方が関わっている。損失回避、決定の不可逆性、そしてモノの「単一化」をめぐる研究を手がかりに、鋏を入れる前の逡巡を分解する。

服は全部残せなくても、少しなら残せるという理屈
着なくなった服の襟を一片だけ切り取って、残りは手放す。全部を諦めることと、少しも諦めないことの間にある、この中途半端な選択の心理的な仕組みを、記念品の実験と、割れた粘土板の歴史から追う。

ジーンズの色は、外側からしか抜けない
藍は繊維の芯まで染まらない。色落ちは劣化ではなく、表面だけが摩耗して白い芯が覗く現象だ。この一点をたどると、偽の色落ちを作るために命を落とした工場労働者や、由来のない「それらしさ」を売る市場が見えてくる。膝の薄くなったジーンズを前にして、生地の物質的な性質から手の入れ方を考え直した記録。

古い食器棚を直す前に、確かめておきたいこと
熊本地震の戸建調査で、固定していない食器棚は32.2%、固定した棚は14.8%が転倒・落下・移動した。「自然な」亜麻仁油からもホルムアルデヒドが出る。三つのリメイクの手順の前に、確かめたい数字。

傷んだ家具を直したくなるのは、本当にモノへの愛着のせいか
傷んだダイニングテーブルを、買い替えずに磨き直す人がいる。自分で組み立てた収納ボックスの入札額は平均0.78ドル、完成品を見ただけの人は0.48ドル。授かり効果とIKEA効果から、修理に潜む勘定を検討する。

本棚を外すと、机は机に戻る
心理学者Dunckerが1945年に示した「機能的固着」は、ロウソクと画鋲の箱の実験に由来する。学習机を大人の机に作り替えるとき、本当に外す価値があるのは天板の傷ではなく、この固着の方かもしれない。

シール集めの心理を、五つの理論をあてても説明しきれない
「集めてどうするの」に答えにくい、シール集めという趣味。発達心理学、ノスタルジー研究、パターン認識の快感、完成への衝動——地味な収集癖を、いくつかの理論で分解してみる。

物を持たない趣味は、本当に身軽なのか
選択肢が多いと選べなくなる、というジャム実験で知られる効果は、ある統合研究では平均でほぼゼロだった。物を減らせば身軽になるという前提を研究で疑い、物を減らしたあとに残る空白を、日本の統計とあわせて読む。

上手く描こうとするほど、絵が下手になる理由
絵を描くときに働く「うまく描けているか」という採点は、上達したい気持ちよりも、下手だと思われたくない恐れから来ていることが多い。達成目標理論と評価予期の実験から、その構造を考える。

女性のかっこいい趣味、バイクや登山はどれだけ珍しいのか
バイクや登山。女性がやると「かっこいい」と言われる趣味は、日本の統計でどれくらい珍しいのか。趣味ごとに差の大きさがまるで違うことを見たうえで、その評価が誰の視線で決まるのかをたどる。

おじさんの趣味が続かない理由と、続く趣味の見分け方
おじさんの趣味探しは、リストを増やす作業ではない。キャンプ道具を買い、サウナに通い、カメラを手にした人のうち、一年後も続けている人はどれだけいるか。趣味が続かない構造と、心理学の研究が示す「続く条件」について。

十七歳と六十代のあいだ、学ぶ脳に何が起きているか
文法を学ぶ力は十七歳ごろまで保たれ、その後は低下していく。六十代の脳もジャグリングで灰白質を増やすが、その変化は練習をやめると減っていく。データは「もう遅い」を否定する一方で、もっと居心地の悪い条件を突きつけてくる。

肩書きを失う痛みと、頂点に居続けるコスト
役職定年や早期退職で肩書きが外れる50代。自分が何者かは、属している集団での位置づけで決まっていたとしたら、位置が外れたとき、人の中では何が起きるのか。社会的アイデンティティ理論と、地位とストレスの研究を手がかりに考える。

田舎で趣味の時間ができる、というのは本当か
田舎に住めば趣味の時間ができるという通念を、通勤時間の統計と社会関係資本の研究で分解する。出てくるのは自由な時間ではなく、別の種類の拘束だった。

コスパのいい趣味。月契約のジム会員の8割は都度払いが得だった
コスパの分母は値札だけで決まらない。月契約のジム会員の8割は都度払いのほうが安く、経験にお金を使う優位は補正で縮む。図書館から道具まで、よく挙がる六つの趣味の向き不向きを見直す。

退職後に消えるのは肩書きではなく、時間の枠組みだ
定年の翌日、鳴らない目覚まし時計の前で覚える戸惑いの正体は、居場所の喪失というより、時間そのものを区切っていた外枠の消失に近い。時間構造理論と、自由時間と幸福度をめぐる逆U字の研究を手がかりに、「暇を持て余す」という経験の中身を分解する。

25〜44歳の平日19時以降、自由時間116分に趣味は19分
平日19時以降に残る自由時間は、25〜44歳の有業者の全員平均で116分。趣味・娯楽に分類されるのは19分だった。意志力の枯渇説が崩れたあと、夜の使い方を統計と回復の研究から並べ直す。

趣味のリストを55個に増やしても、たぶん何も解決しない
趣味が見つからない人に趣味リストを増やして渡すことは、本当に助けになるのか。選択肢を増やせば選びやすくなる、という前提を疑う。ジャムの実験、最大化者という気質、そして「いつでもやめられる」ことの意外な副作用について。

中学生の半数は平日3時間以上自由、趣味探しに足りないものは
中学生の趣味を探すとき、足りないのは時間ではなく行き先かもしれない。NHKの調査、図書館や部活の制度、男子・女子で一覧を分けない理由をたどり、そのあと、続く趣味の見分け方まで。