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152本。
2026

結婚すると男は仕事ができるようになるのか——彼らは結婚の1年前に、すでに8.5%多く稼いでいた
結婚して責任感が出た、という趣旨のことを取引先に言われた。自分では、何も変わっていないつもりだった。米国の男性4,287人を追った研究では、既婚男性の17.7%の賃金の上乗せは、伸び方の違いまで取り除くと0.5%まで縮んだ。その違いから計算すると、彼らは結婚の1年前に、すでに8.5%多く稼いでいた。それでも双子で比べると、差は消えない。
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「手段が目的になる」を、1937年の心理学は職人気質の源として、1940年の社会学は官僚制の硬直として描いた
「手段と目的を取り違えるな」とよく言われる。だが1937年の心理学は、手段がそれ自体の目的に変わる過程を職人気質や生涯の関心が育つ道筋として描き、1940年の社会学は官僚制の硬直として描いた。クラッカーを食べると強くなる、という絵本を聞かされた幼児は平均3.1枚、何も聞かなかった子は9.07枚食べた。
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「夢中」の条件は、余暇より仕事の最中に3倍多くそろっていた——ポケベルで調べた1989年の論文
夢中を探すなら休日、と考えがちだ。だが1989年に発表された、シカゴの働く人にポケベルを持たせた調査では、挑戦も技能もふだんより高い時間の割合が、仕事中は54%、余暇中は17%だった。直接測り直しても向きは変わらなかった。それでも1989年の調査の参加者は、仕事中に別のことをしたがっていた。
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人事制度の流行は効果が確かめられる前に広まる。広まったあとに批判が追いつく。
コーチングの成績・スキルへの効果量は、研究を1本抜くと0.60から0.19に下がる。コーチング、タレントマネジメント、OKR、1on1、エンゲージメントサーベイの土台を、できる範囲でさかのぼって読み、流行と検証の順番を調べた。
1
「不可」を「まだ」に変えた学校は、成績が上がったのか
マインドセットが変わったと確認できた13の研究だけを集めると、成績への効果量は0.04で、ゼロと区別がつかなかった。リスクの高い生徒への効果は、研究者によって0.09から0.19まで割れている。どちらを採るかの前に、何を数えているのかを見る。
2
温泉の効能は、どこまで確かめられているのか
温泉法上は、25度以上であれば成分が薄くても温泉になる。掲示の義務は禁忌症と、加水・加温・循環・入浴剤の別にあり、適応症にはない。コクランは関節リウマチを「証拠不十分」とした。家庭の浴槽を含む浴槽内の溺死・溺水は、2025年に8,031人。
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17市場で、自分の使うブランドを「違う」と選んだ顧客は11%
17市場の調査で、利用者が自分のブランドを「違う」と選んだのは平均11%。英国の標準・特典付きの当座預金は、約9割が乗り換えれば得という試算なのに、当座預金全体の乗り換えは年3%。
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測れないものに価値がない、のではない
「計測できないものは管理できない」はデミングの逆の主張として広まった誤引用である。SMART目標やKPI崇拝の実害と、それが覆い隠しているものについて。

「もったいない」を、少し疑ってみる。――趣味とサンクコストの心理学
趣味に投じた金額と時間は、続けるかやめるかの判断とは無関係のはずだ。鳩の実験からNBAのドラフトまで、サンクコスト効果をめぐる研究を辿る。
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プロテイン30分ルールの犯人には、完璧なアリバイがあった
プロテインを摂り遅れると筋トレが無駄になる、というルールの一次資料をたどると、70代・未経験者・わずか13人の実験に行き着く。効いているのは時計ではなく、別の数字だった。
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情熱は先に見つけるものか、後から育つものか
「情熱を先に見つければ、あとはずっと楽しく続けられる」――そう信じる人ほど、実際に壁にぶつかった瞬間、興味を失いやすいという実験結果がある。しかもこの助言自体、進路選択における性別間の偏りを広げる働きまで持っていた。

ノーベル賞科学者の「22倍」は、何と比べた数字か
ノーベル賞受賞者はアマチュアの演者である確率が「少なくとも22倍」と言われる。倍率の出どころと、論文の表の数字の出し方を読み直し、「1万時間」の再現、スポーツ選手の研究、日本の高齢者5万人の追跡も、原典にたどった。

「旅より住む」が創造性に効く、という話を原典で読み直す
海外に住んだ期間は創造性課題の成績と関連した。旅行の期間は、実験1で有意に負(p=.049、解釈は保留)、実験2で無関係だった。2009年の5つの実験の人数と操作を読み直し、続報、日本の留学の統計までたどった。

画面の時間の説明力は最大0.4%、物差しはジャガイモと眼鏡
35万人超の分析で、画面の利用が説明する幸福度のばらつきは最大0.4%。英国では眼鏡のほうが強い関連を示した。4週間Facebookを止めた実験の改善は、相関の約4割だった。

米国調査で語られた中年の危機、過半は38〜50歳の外だった
米国の電話調査で集まった「中年の危機」190件のうち、過半は38〜50歳の枠の外の年齢で語られていた。40代半ばに危機が来ない筆者が、数字と論争を、一次情報を中心に確かめた。

格言「早寝早起き」を検証した論文に、徳の証拠はなかった
65歳以上1,229人を調べた1998年の論文では、豊かだったのはフクロウ型で、ヒバリ型に得の兆候はなかった。体内時計の遺伝、夜型の頭の良さ、始業時間の実験、ソーシャル・ジェットラグを、原典をたどって確かめた。

断捨離が効くのは、モノが減るからではないらしい
30家族の研究で、妻のコルチゾールの下がり方は、家を語る言葉と対応していた。その言葉は、家の広さや築年とはほとんど関係がなかった。一般の人が片付けた前後を、比べる相手を置いて測った論文は、探した範囲では見つからなかった。

誰の体も測らずに「8時間睡眠」を唱えていた
「8時間睡眠」の起点としてよく語られるのは、1817年の標語「8時間休息」だ。ベッドにいる時間を6時間に絞って2週間過ごす実験では、眠気の自己評価は頭打ちなのに、注意力は徹夜1晩分まで落ちていた。

出社回帰の号令が頼れる根拠の一つは、隣の棟との距離だった
出社を義務化した137社の分析では、業績の改善が検出されなかった。一方、チームが一つの棟にいるか二つの棟に分かれているかで、ソフトウェアエンジニアが受けるレビューコメントは2割あまり違った。号令の根拠を一つずつ点検する。

草・雲・星をただ眺める効能は、数字にすると小さかった
手ぶらで外に出て、草・音・雲・星を眺める。自然の効果は血圧で約3 mmHg、病室の窓は入院日数で約0.7日。数字を原典にたどると、効能より先に、日本の空の意外な姿が見えてきた。

在宅で働いた日の84%、勤務時間のすべてを一人で過ごしていた
Science誌2026年の研究では、在宅で働いた日の84.0%が勤務時間の全部を一人で過ごす日だった(出社は23.2%)。苦痛の上昇はひとり暮らしに集中した。ただし通勤は測られていない。

ワーケーションで休めるのか、測った研究はまだ数十人規模
休暇の効果は1週間で消えるという報告と、消えにくいという報告が並ぶ。ワーケーションを直接測った研究は、数十人規模の短期のものが数本。休めた気分は上向いても、仕事から頭が離れたか、成果が出たかの数字は、まだほとんど動いていない。

ある会社で壁を取ると、対面は1日5.8時間から1.7時間に
ある本社では壁を取り払うと対面の会話が1日約5.8時間から約1.7時間に減り、参加者どうしのメールは56%増えた。別の会社でも席の距離は約2mのまま、対面が約7割減った。静けさやカフェの効果まで、同じ目で疑い直す。

40代の趣味ランキング、上位10記事に調査の母数はなかった
「40代 趣味 男性 ランキング」の上位10記事のうち、アンケートの母数を示したものは0件だった。順位が人気を増幅する実験や、40代男性の余暇の統計と並べて、ランキングで趣味を選ぶ心理を調べた。

「面白い趣味」を探しても、たぶん見つからない理由
面白さは活動ではなく、活動と自分のあいだで起きる反応だ。好きな曲を9回聴く楽しさの実験では、1分の間をあけるだけで「混ぜて聴くほうが楽しい」が逆転した。面白い趣味が見つからない理由と、弱点つきの始め方を四つ。

「家のほうが続く」という結論は、1つの試験に支えられていた
「家でできる趣味」を探す理由は、摩擦の少なさか、視線のなさか。習慣の研究、社会的促進、運動の継続のメタ分析、日本の統計を原典にたどると、よく語られる説明は、きれいには確かめられなかった。

ダイロンで黒を染め直す——灰色の正体は毛羽立ちかもしれない
黒Tシャツが白っぽく見えるのは、染料が抜けたからとは限らない。繊維の毛羽が光を乱反射しているだけかもしれない。ダイロンの公式案内と研究を読み、色が消えることの正体と、染め直しでできることとできないこと、カラーストップの位置づけを整理した。

「可能自己」――そのウエストは、誰の体のために保管されているのか
体形が変わって合わなくなったズボンを、直すか、手放すか、そのまま吊るしておくか。この判断の難しさの正体は生地の伸縮ではなく、自分がどの「自分」を信じているかという、もっと厄介な場所にあるらしい。

焚き火で穴が開いたジャケットを、買い替える前に
ゴア公式はパッチを「絆創膏」と呼び、焼け焦げは保証の外に置く。撥水と防水の違い、洗濯と熱で戻る範囲、PFAS規制、ポリウレタン衣料のクレームまで平均3〜6年。補修の境目を原典で確かめ直した。

金継ぎの逸話に裏付けはない、それでも繕いを隠さない理由
襟が擦り切れたシャツを前にして、最初に浮かぶのは「気づかれない直し方」かもしれない。なぜ人は繕いを隠したがるのか——ぼろ、刺し子、金継ぎの由来談を辿りながら、修理を見せることの居心地の悪さと、そこに宿るシグナルの正体を考える。

デニムのリメイク、ミシンの前に決まっていること
デニムの切り口が白くほつれるのは染めムラではない。ミシンの説明書、染色の技術資料、リーバイスの環境評価から、リメイクの前に決まっていることを確かめた。

性格診断で趣味の相性がわかっても、満足度の説明力は3%だ
職業選びのために作られた性格理論を趣味選びに当てはめてみると、何が見えるか。「自分に合うもの」を選んだつもりの趣味がなぜか長続きしない理由は、見立ての精度そのものに意外な限界があることらしい。

塩ひとつまみは、何グラムなのか
ひとつまみの実測は平均0.5グラム。濃口醤油16%は薄口の値だった。塩にまつわる数字を、実測、成分表、研究で確かめ直した。

収集癖の心理。才能か、ためこみ症か、強迫的購買か
収集癖の心理を、個人差から読む。ためこみ症の双子研究が示す遺伝率、コレクターのパーソナリティ、強迫的購買障害との境界線から、集めるという行為の違いを追う。

買い替えられた家電の3割は、まだ動いていた——使い捨ての境目
ある実験では、修理の手配にわずかな手間が加わるだけで、毎回修理を選ぶ人が42%から35%に減った。同じ手間を買い替えに足しても、選択はほとんど変わらない。その非対称から、直せるモノと直せないモノの分かれ目を考える。

孤立しないコレクション。家族とどう共存するか
100組の夫婦の喧嘩日誌では、お金の喧嘩は回数で5〜6番目だった。それでも、ほかの話題より持ち越されやすかった。家族がコレクションを嫌う理由を、物の量と並んで「見えなさ」から考え直す。

道具の手入れを、儀式と呼ばずに書いてみる
革や金属の手入れを「儀式」と呼ぶ記事はよくあるが、心理学が定義する儀式とは、道具の手入れとはむしろ噛み合わない代物だ。手を動かす時間の正体を、統制感・自動化・労力の正当化という三つの研究から解体する。

趣味が続かない理由は「動機」のズレ? 没頭を生む3つのタイプと、余白の選び方
好みに合わせて活動を割り当てても、継続は変わらなかった実験がある。趣味が続かない理由を「動機のズレ」だけで説明できるか、運動や余暇の研究で確かめ直した。6問の集計つき。

岳温泉、客は4割減、物悲しさはない。
福島県の岳温泉に三泊した。入込客は2010年の約六割、県全体は震災前を上回ったのに。人の少なさ、商売っ気のなさ、昭和の残骸、手入れの続く管。研究と資料で確かめられたこと、そうでないことを分けて書く。

音声メディアの「声」は、何をしているのか
ある平日にラジオを聴いた人は6.5%、聴いた人は平均3時間。聴くと読むの理解度、作業中の話し声、おすすめ機能、寝る前の音声を、研究で確かめ直した。

趣味診断について、実際にやっていることを説明する
「あなたの深層心理を読み取る」という宣伝文句を取り下げた後、診断というジャンルそのものを疑ってみる。ForerからMBTI、血液型性格判断、占星術の二重盲検試験まで、当てはまった感覚の正体を辿る。

「贅沢な不便さ」と言いたくなるときに疑っておきたいこと
フィルムカメラのダイヤルを回す手応えを「贅沢な不便さ」と呼ぶ言説を、不便益の研究、効果ヒューリスティック、そして「切断できることは特権である」という指摘から検証する。

秘境に行かなくても、休める場所はあるかもしれない
休暇の効果は1週間で消えるのか。二つのメタ分析の答えが割れている。都内の銭湯は2,687軒から417軒に減った。遠さの代わりを都市に探して、確かめ直した。

「ソロキャンプの次」を探す前に、飽きの正体をばらしてみる
ソロキャンプに飽きたとき、失ったのは何だったのか。自己決定理論の「自律」は独立とは別物で、難問で自信を揺さぶられた群では自分で組み立てたい人が58%(易問の群は33%)。次の手段を四つ、メリットとデメリットで並べる。

分解できないモノを、所有と呼んでいいのか
1932年、ある不動産ブローカーが、あらゆる製品に法律で寿命を割り当て、期限後に使い続ける人へ課税する案を出した。いまモノの寿命を決めているのは誰か。

照明の色を変えたら、夜にスマホを見る時間が本当に減ったのか
暖色のスタンドを足したら、夜の画面時間が減った気がする。夜の室内光でメラトニンが半分になる明るさは、人により50倍以上違った。「気がする」を研究で確かめ直した。

温泉から帰った翌朝、静けさはどれくらい保つものなのか——復帰初日の終わりには、休暇で減った仕事の反すうの4分の1が、もう戻っていた
休暇の中ほどで下がっていた仕事の反すうは、職場に戻った初日の終わりまでに、下がった分の4分の1が戻っていた。2週間後にはほぼ休暇前に戻ったが、リラックスの感覚は残った。戻る速さは、静けさの種類ごとに違った。

温泉旅館の豪華な夕食を、少し残すという選択——食後、脳の血流は変わっていなかった
食後に眠くなるのは血が消化器に集まるから、という説明は、測定では支持されなかった。腹部の血流は約30%増えるが、脳の血流は変わらない。宿泊施設の夕食の食べ残しは14.8%(平成21年度調査)。

42度と38度、湯温を変えると何が変わるのか——「入浴で腹囲が数センチ縮む」は実測で0.8センチだった
体温に近い水でも、首まで浸かると心拍出量は約5割増えるが、「入浴で腹囲が数センチ縮む」という通説の実測は0.8センチだった。体温の上がり方は、研究室と家庭の風呂で数倍違い、ヒートショックプロテインの研究も、42度超の湯のものではなかった。42度と38度の湯で、体に何が起きるのかを数字でたどる。

電波の届かない温泉宿を、あえて選ぶ理由——スマホが机にあるだけで頭が鈍る、という実験は直接の追試で再現しなかった
圏外の温泉宿を選ぶ理由を、研究に当てて確かめる。スマホが視界にあるだけで頭が鈍るという実験は、事前登録の追試で再現せず、自然による注意の回復も、追試で割れた。標高の高い宿では、血圧は上がり、睡眠は浅くなる方向に動いた。

強酸性の湯とアルカリの湯、肌には何が起きているのか——pH2の湯でも、健康な皮膚のpHは4.9から4.5にしか下がらなかった
pH9.5の石けんで洗うと、10分後の皮膚のpHは0.45上がり、pH約8の水道水でも最大6時間上がったままになる。一方、pH2の草津の湯に入っても、健康な皮膚のpHは4.9から4.5に下がっただけで、まもなく元に戻った。「酸が菌を減らす」という説明も、酸だけでは足りなかった。

温泉で「効いた」と感じるとき、何が効いているのか——水道水の風呂でも膝は良くなり、温泉水の群はそれを上回った
遠くて不便な温泉で「効いた」と感じるのは、何のおかげなのか。温泉水と、色と匂いを似せた水道水に分けた58人の膝の試験では、水道水の群も改善した。厳しい入会ほど好意が増す実験は追試で割れ、何もしない時間は思ったより難しい。

「効率化」という言葉を使わずに、冷蔵庫の中身とどう付き合うか
1903年の料理書は、すでに厨房の管理を書いていた。「効率化」の語彙が暮らしを軽くするのか窮屈にするのかを、家事の統計と古い資料で確かめ直した。

モノを直すと気持ちは支えられるのか
逃げられない電撃を受けた犬の3分の1は無力にならなかった。学習性無力感の原典と、提唱者自身による見直し、修理の実験から、直すことの効き目を確かめ直した。

メイラード反応の数字は、どこまで確かめられているか
「140度から始まる」に一次出典は見つからなかった。メイラード反応とカラメル化、肉の温度、アクリルアミド、うま味の相乗効果の数字を、原典に当たって確かめ直した。

マシュマロ実験の神話と、発酵という待つしかない時間
「待てる子は成功する」というマシュマロ実験の相関は、追試で大きく縮んだ。それでも台所で発酵を待つ人がいるのはなぜか。待つことの心理学を、発酵という待つしかない時間から考える。

台所の精度は、道具の数字だけでは決まらない
55℃で止めたひき肉のパティの47%が、焼けたように見えた。色や感触の判断と、温度計・スケール・タイマーの精度を、実験と仕様で確かめ直した。

「美味しそう」という予感を、少し疑ってみる。――ステーキを物理法則で焼くための手順
室温に戻しても灰色の層は薄くならず、52℃で下ろす焼き方は殺菌を目的にしていない。ステーキの焼き方を、温度・塩分・安全の面から文献で確かめ直した。

包丁を研いでいる間だけ、頭が静かになる理由
包丁を研いでいる間は頭が静かになる、という話をよく聞く。禅的な説明にも、脳の一部が沈黙するという説明にも頼らず、注意資源の奪い合いという地味な仕組みから探る。研ぎそのものを調べた研究は見つからなかったので、隣の実験からの推測として。

コレクション趣味とためこみ症を分けているのは、「選別」だけだ
切手、レコード、鉱石――集める対象は人それぞれでも、その衝動の裏にある仕組みには共通点がある。統制欲求、拡張自己、ホーディングとの境界線。コレクションという趣味を、研究の手がかりから読み解く。
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「趣味を仕事に活かす」という話の、どこまでが本当なのか
離れた趣味を掛け合わせれば市場価値が上がる、という話をよく見かける。ただ転移の実験では、数分前に読んだ物語ですら、ヒントなしでは15人中3人しか使えなかった。持っていることと、思いつくことは別だった。

趣味は「精神的インフラ」になるのか
「趣味が多いほど心は折れにくい」を支える心理学の仮説、自己複雑性は、統合研究では支持が弱かった。気根の比喩を、自己複雑性、デフォルトモード、注意回復理論から確かめ直した。

四十年続く趣味には、何が共通しているのか
四十年続く趣味は、始め方が良かった結果ではないらしい。継続性理論、退職後のアイデンティティ研究、生きがい研究、認知症をめぐる論争、老いに伴う選択性理論を手がかりに、趣味が人生の断絶をまたいで生き延びる仕組みを考える。

趣味に「Lv.1〜Lv.3」を割り振ることの効き目と副作用
趣味の上達を「スキルツリー」として段階づける語り方には、ゲーミフィケーション研究の裏づけがある。ただしその効果は思ったより不安定で、効いている理由も思ったより一枚岩ではない。

趣味を選ぶ基準を、他人の反応から動機に移してみる
約束された賞状で、絵を描く時間は半分になった。ただし、この効果がどこまで一般に通じるかは割れている。趣味の選び方を、報酬・予測・過去の行動の研究で確かめ直した。

「0円で自分を取り戻す」と言う前に、罪悪感の話をしたほうがいい
母親が自分のために時間を使うことへの罪悪感は、支出を0円にしても消えない。インテンシブ・マザリング規範や汚染された時間、認知労働の研究を手がかりに、金額を操作することが実は何を解決していないのかを検討する。

庭の雑貨を、スタイルから選ぶのをやめてみる
園芸グッズを「北欧風」「アンティーク風」で選ぶ行為の裏には、見た目の一貫性が生む安心感と、実際の園芸継続や満足度との間の意外な断絶がある。環境心理学の選好理論、園芸と健康の効果量、IKEA効果までを手がかりに、見た目と実用の対立そのものを問う。
2025

趣味の道具の収納スペース。キャンプする人の7割は年4日以下
住まいの不満は、広さより収納のほうが11.7ポイント高い。一方、キャンプをする人の72%は年に1〜4日しかしていない。収納の話を、使う頻度と置き場所の側から、統計と研究で見直す。

「クレジットカード一枚分」を疑う——プラスチックを減らすという遠回りな趣味
プラスチックを減らす行為から環境負荷という建前を外すと、何が残るのか。クレジットカード一枚分のマイクロプラスチック、モラルライセンシング、二十社の生産量——数字を追いながら、素材を選び直すという行為の実質を確かめる。

捨ててしまう前に。古いものから生まれるアップサイクルの手仕事
スチール缶の94.4%は資源に戻る。それでも瓶や缶を鉢にする意味はどこにあるのか。アップサイクルの環境効果と、4つの工作の落とし穴を、統計と研究で確かめた。

「エシカルな趣味」は、買うことから始まっている
綿のトートバッグが元を取る回数は、7,100回とも52回とも言われる。数字を決めた指標と、モラル・ライセンシングの追試を読み直し、「エシカルな趣味」の成り立ちを問い直す。

日記が三日で終わるのは完璧主義のせい、という通説を2007年のメタ分析は否定している
日記が三日で終わる原因を「完璧主義だから」で片づける自己診断は、たいてい何かを言い当てた気にさせてくれる。だが完璧主義は一枚岩の性格特性ではなく、その中身によって先延ばしを強めもすれば弱めもする。多次元的完璧主義の研究をたどると、犯人捜しの単純さがまず崩れていく。

朝に日記を書くと変わるのは、頭が冴えるからではなく鈍るからかもしれない
朝に書く日記は、夜に書くものと調子が違う、という話をよく聞く。「寝起きの脳は素直」という説明を、概日リズム・意志力・個人差の研究に照らして確かめると、朝が特別に見える理由は、思われているのとは違う場所にありそうだ。

プランター選びを考える ~素材の違いと、購入前に見ておきたいポイント~
窓の外の木立で入院が0.74日短かったという研究は、鉢植えの根拠にならなかった。米国の苗木の黒い鉢は夏に48.9℃超、鉢底石は水の残りを減らす傾向がある。素材とブランドの評判を、公式の資料で確かめ直した。

空間と時間を編集する「プランター・ガーデニング」、という視点
ペチュニアは水を4分の1にすると花が71輪から33輪に減った。鉢底石の定説は二度ひっくり返った。三角形の配置や青と白は根拠が見つからなかった。ベランダの花を原典で確かめ直した。

日本の湿気の中で、ドライガーデンをやるということ
日本の年降水量は世界平均のおよそ2倍、東京の夏は4か月にわたって湿度が7割台で張りつく。乾燥地の植物をそこに植えるとき、先に決めるべきは株ではなく、水がどれだけ速く抜けるかだった。

日常に奇妙さを足す七つの実践に、実験の裏づけはあったか
録音、言葉の切り貼り、編み物、テラリウム。気晴らしとして勧められる七つの実践を、実験の数字で確かめた。実践そのものを直接検証した研究は見つからず、近い研究の結果も割れていた。

瞑想が続かないのは、効果を求めるからかもしれない
瞑想は効果を求めるほど続かなくなる。その逆説を、皮肉過程理論とメタ分析の中身から確かめる。

標高1,800mの温泉で、何もない時間を過ごす——万座の硫化水素は、1952年の論文が紹介する報告ですでに日本一とされていた
万座の硫化水素は、1952年の論文が紹介する報告ですでに日本一とされていた。国が浴室の湯面で許す20ppmは、においを感じる濃度の800倍にあたる。小串鉱山の山崩れや冬期閉鎖の数字も、公的な資料に当てて確かめた。

自炊湯治の「本来は三週間」は、どこまで本当か
自炊湯治の「本来は三週間」を資料で確かめる。湯治場時代の滞在は7〜14日と言われ、箱根では一夜湯治が事実上公認され、国内の観光宿泊旅行は1泊が約6割。効能・休暇・自炊・郷愁を数字と資料で疑う。
2024

部屋の広さ感を左右するのは配置か——模様替えの助言を実験で確かめる
対角線上に視線を通す、家具の高さをそろえる——模様替えの定番の助言は、実験で確かめられていたのか。家具の有無と壁・天井の明るさを調べた研究と、新しさがもたらす高揚の短い寿命から考える。

「集中が戻るまで23分」の出どころは、インタビュー記事だった
「通知で途切れた集中は23分で戻る」の数字は2006年のインタビュー発言で、論文の値は別だった。机のスマホの追試、SNS断ち実験の割れた結果、日本の利用時間を、原典にたどった。

日記が三日で終わる理由は、たぶん「義務」よりも根が深い
自己表現のはずの日記が、なぜ長続きしないのか。表現的筆記の効果量、報酬が意欲を削る実験、自伝的記憶の書き換え――三つの異なる研究群をたどると、「義務感さえなくせば続く」という単純な話ではないことが見えてくる。

森林浴の免疫の報告は、12人の男性が対象だった
森林で2泊するとNK細胞の活性が上がる、という報告の対象は男性12人だった。コルチゾールの野外実験は男子大学生280人。メタ分析では予測区間がゼロをまたぐ。森林浴の数字を原典にたどって読み直した。

趣味とは何か——「鏡」という言い方を、実験の細部で疑う
趣味には承認欲求や嫉妬が映る、とはよく言われる。だが同じ賞状でも、予告された子どもだけが絵を描かなくなり、不意にもらった子どもは変わらなかった。趣味を「鏡」にたとえる言い方がどこまで通用するのか、実験の細部から確かめてみる。
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ふすまを自分で貼り替える、という賭け
原状回復では、通常の使用による変化は戻さなくてよい。一方で襖紙は、クロスと違って経過年数で負担が目減りしない。自分で貼り替えた賃貸のふすまを、ガイドラインと裁判例から見直す。

タンスに眠る着物になぜ鋏が入れられないのか
譲り受けた着物を前に手が止まるのは優柔不断のせいではない。拡張自己、保有効果、イケア効果、贈与論、そして縮小した着物市場のデータから、その迷いの正体を分解する。

子どもが覚えていない時期のために、なぜベビー服を残すのか
ベビー服が捨てられないのは、子どもの思い出のためだと説明されがちだ。だが子ども自身は、その時期をほとんど覚えていない。移行しているのは誰で、証拠として残されているのは何の記録なのか——幼児期健忘の研究と、発達・消費者研究の知見から、この矛盾を辿る。

シャツより自由な布、ハンカチだけが持つ作り替えの選択肢
鼻をかむ布としての地位を失ったハンカチは、実はシャツやネクタイより作り替えの選択肢が多い。ラビッシュ理論とアフォーダンス理論から、その理由を追う。

ワイシャツのリメイクで小物を作る前に、2700リットルの水の話
着なくなったワイシャツを解体し、手縫いで仕立て直す時間の中身まで考えた記録。Tシャツ一枚ぶんのコットンには、水フットプリントの試算でおよそ2700リットルの水が使われる。だがその数字を知っても、リメイクの効果は思うほど大きくない。

古着を切る前に、何を壊しているのかを考える
環境省の令和4年度推計を開くと、リユースの約半分は海外輸出、リサイクルの過半はウエスと反毛だった。古着を切る前に、手元の一着に残る道を並べる。

ネクタイをスカーフにリメイクする手順の流れと、残るもの
ネクタイをスカーフにリメイクする手順の流れを、構造、アイロン、端の始末の方法ごとに、資料から整理する。そのうえで、仕立て直しで消えるものと残るものをたどる。

羊毛のうろこは、なぜ一方向にしか動かないのか
古いセーターを切る前に湯で縮ませてフェルト化させる作業には、繊維一本ごとに仕込まれた一方通行の仕組みと、後戻りできないことへの心理的な抵抗の両方が関わっている。損失回避、決定の不可逆性、そしてモノの「単一化」をめぐる研究を手がかりに、鋏を入れる前の逡巡を分解する。

服は全部残せなくても、少しなら残せるという理屈
着なくなった服の襟を一片だけ切り取って、残りは手放す。全部を諦めることと、少しも諦めないことの間にある、この中途半端な選択の心理的な仕組みを、記念品の実験と、割れた粘土板の歴史から追う。

ジーンズの色は、外側からしか抜けない
藍は繊維の芯まで染まらない。色落ちは劣化ではなく、表面だけが摩耗して白い芯が覗く現象だ。この一点をたどると、偽の色落ちを作るために命を落とした工場労働者や、由来のない「それらしさ」を売る市場が見えてくる。膝の薄くなったジーンズを前にして、生地の物質的な性質から手の入れ方を考え直した記録。

古い食器棚を直す前に、確かめておきたいこと
熊本地震の戸建調査で、固定していない食器棚は32.2%、固定した棚は14.8%が転倒・落下・移動した。「自然な」亜麻仁油からもホルムアルデヒドが出る。三つのリメイクの手順の前に、確かめたい数字。

傷んだ家具を直したくなるのは、本当にモノへの愛着のせいか
傷んだダイニングテーブルを磨き直しながら、なぜ人はモノを直したくなるのかを考える。授かり効果、IKEA効果、所有と自己の心理学から、修理という行為に潜む勘定を検討する。

本棚を外すと、机は机に戻る
心理学者Dunckerが1945年に示した「機能的固着」は、ロウソクと画鋲の箱の実験に由来する。学習机を大人の机に作り替えるとき、本当に外す価値があるのは天板の傷ではなく、この固着の方かもしれない。

シール集めの心理を、五つの理論をあてても説明しきれない
「集めてどうするの」に答えにくい、シール集めという趣味。発達心理学、ノスタルジー研究、パターン認識の快感、完成への衝動——地味な収集癖を、いくつかの理論で分解してみる。

物を持たない趣味は、本当に身軽なのか
選択肢が多いと選べなくなる、というジャム実験で知られる効果は、ある統合研究では平均でほぼゼロだった。物を減らせば身軽になるという前提を、研究で疑ってみる。「ミニマリスト 趣味がない」という検索語の裏にある空白を、日本の統計とあわせて読む。

上手く描こうとするほど、絵が下手になる理由
絵を描くときに働く「うまく描けているか」という採点は、上達したい気持ちよりも、下手だと思われたくない恐れから来ていることが多い。達成目標理論と評価予期の実験から、その構造を考える。

女性の「かっこいい趣味」は珍しいのか、誰の視線で決まるのか
バイクや登山。女性がやると「かっこいい」と言われる趣味は、日本の統計でどれくらい珍しいのか。趣味ごとに差の大きさがまるで違うことを見たうえで、その評価が誰の視線で決まるのかをたどる。

おじさんの趣味が続かない理由と、続く趣味の見分け方
おじさんの趣味探しは、リストを増やす作業ではない。キャンプ道具を買い、サウナに通い、カメラを手にした人のうち、一年後も続けている人はどれだけいるか。趣味が続かない構造と、心理学の研究が示す「続く条件」について。

十七歳と六十代のあいだ、学ぶ脳に何が起きているか
文法を学ぶ力は十七歳ごろまで保たれ、その後は低下していく。六十代の脳もジャグリングで灰白質を増やすが、その変化は練習をやめると減っていく。データは「もう遅い」を否定する一方で、もっと居心地の悪い条件を突きつけてくる。

肩書きを失う痛みと、頂点に居続けるコスト
役職定年や早期退職で肩書きが外れる50代。自分が何者かは、属している集団の中での位置づけによって決まっていたのだとしたら、その位置が外れたとき、人の中では何が起きているのか。社会的アイデンティティ理論と、地位とストレスをめぐる研究を手がかりに考える。

田舎で趣味の時間ができる、というのは本当か
田舎に住めば趣味の時間ができるという通念を、通勤時間の統計と社会関係資本の研究で分解する。出てくるのは自由な時間ではなく、別の種類の拘束だった。

コスパのいい趣味。月契約のジム会員の8割は都度払いが得だった
コスパの分母は値札だけで決まらない。月契約のジム会員の8割は都度払いのほうが安く、経験にお金を使う優位は補正で縮む。図書館から道具まで、よく挙がる六つの趣味の向き不向きを見直す。

退職後に消えるのは肩書きではなく、時間の枠組みだ
定年の翌日、鳴らない目覚まし時計の前で覚える戸惑いの正体は、居場所の喪失というより、時間そのものを区切っていた外枠の消失に近い。時間構造理論と、自由時間と幸福度をめぐる逆U字の研究を手がかりに、「暇を持て余す」という経験の中身を分解する。

25〜44歳の平日19時以降、自由時間116分に趣味は19分
平日19時以降に残る自由時間は、25〜44歳の有業者の全員平均で116分。趣味・娯楽に分類されるのは19分だった。意志力の枯渇説が崩れたあと、夜の使い方を統計と回復の研究から並べ直す。

趣味のリストを55個に増やしても、たぶん何も解決しない
趣味が見つからない人に趣味リストを増やして渡すことは、本当に助けになるのか。選択肢を増やせば選びやすくなる、という前提を疑う。ジャムの実験、最大化者という気質、そして「いつでもやめられる」ことの意外な副作用について。

中学生の半数は平日3時間以上自由、趣味探しに足りないものは
中学生の趣味を探すとき、足りないのは時間ではなく行き先かもしれない。NHKの調査、図書館や部活の制度、男子・女子で一覧を分けない理由をたどり、そのあと、続く趣味の見分け方まで。

育児中に消えるのは、自分ではなく「汚染された時間」かもしれない
育児中によく使われる「自分を取り戻す」という言い方は、成り立たない前提の上に立っているかもしれない。母になることで人がどう変わるかという研究と、育児期の時間がなぜ休息として機能しにくいのかという研究、その両方から自分の時間の話を考え直す。

曲がった道の由来を知ると「必然だった」と感じてしまうのはなぜか
運河の跡だとわかった曲がり道を、古地図で確かめる。その満足感の正体を、後知恵バイアスとナラティブ記憶の研究から疑ってみる。

かっこいい特技を選ぶ前に、高校生の趣味と特技の分かれ目
かっこよさを調べた研究から、かっこいい特技を選ぶときの三つの型を考える。そのあと、ご褒美が興味を削いだ幼児の実験と、「趣味」の語がない履歴書の様式例をたどって、趣味と特技の分かれ目まで。

パソコンでできる趣味。ゲーム時間と幸福の関連は小さい
パソコンでできることを、見る・聴く、遊ぶ、作る、コードを書く、学ぶの五つに分けて、向き不向きを並べる。ネット利用者でパソコンを使う人は53.2%。遊んだ時間の長さと気分の関係は、38,935人の追跡でもほぼゼロだった。

「私」の時間をどう使うか
家事や育児を担う人にとって「自分の時間」がなぜ確保しにくく、確保できても罪悪感を伴うのか。メンタルロード研究や時間貧困論、余暇の質の男女差から考える。

花を趣味に——押し花からガーデニングまで、落ち着きの正体
花の趣味には、押し花からベランダガーデニングまで幅がある。花を眺めると落ち着くという話にはたいてい出典がない。その落ち着きの正体を探る。

100円の材料で作る人が買っているのは、安さだけではなかった
100均の利用調査で、重視点の最多は品揃え、利用理由の上位は価格だった。プロスペクト理論、制約と創造性、IKEA効果を原典にたどると、千円と百円の痛みは理論の上では金額の差ほど開かず、安さの効果は実験でも割れていた。

30代、記録できるかで趣味を選ぶと楽しさは減るか
30〜34歳の平日に趣味をした人は23%で、した人の平均は3時間超。測ると楽しさが下がるという実験の数字を開き、反対側の証拠と並べて、記録で趣味を選ぶことの意味を考える。

クリエイティブな趣味とは。作ることと消費することの境目
日常の創造性という定義と、大学生を1週間追った調査で答えた回の約2割が「いま創造的なことをしている」だったこと。始め方の四つの型を見たうえで、作る側に回れば幸せになるのかを、研究の数字でたどる。

趣味を年代や性別で仕分けることについて
「20代に人気」「女性に多い」という趣味ランキングの仕分けは、統計的にどこまで正しいのか。性差研究とコホート効果の知見から、年代・性別で趣味を語る作法そのものを検討する。

一人の運動は、集団の運動より効かないのか
一人で体を動かすことは、集団で運動するより効果が薄いのか。ボルダリング、フォトウォーク、低山ハイキング、ヨガのような一人の運動を、心理学の研究をもとに検証する。

「没頭度:非常に高い」の内訳を疑う
すり替えた顔写真に、その場で気づかれたのは354回のうち46回。多くの場面で、参加者は選んでいない写真の理由をよどみなく語った。没頭度スコアが何を測るかを、自己申告と行動ログの限界から読み直す。

「健康にいい趣味」は何に効くのか。日本の4.8万人の追跡から
健康的な趣味の「健康」は、何を指すのか。65歳以上の4.8万人の追跡では、体を動かす活動や集まって行う活動をしている人は死亡のリスクが低く、文化的な活動や一人の活動では有意な関連が出なかった。

ハンドメイドの趣味は、種類より先に「下手な時期」で選ぶ——自作が63%高く見える愛着の条件
ハンドメイドを始める初心者へ。種類を選ぶ前に、下手な時期の中身を研究から考える。自作が高く見える効果は、完成させなかった場合にははっきり弱まる。手芸の行動者率は11人に1人にすぎず、45分の美術制作でコルチゾールが下がらなかった人も、約4人に1人いた。

友達になるまでの時間は、50時間とも94時間とも言われる
趣味の場で友達を作るのに何時間かかるのか。知人がカジュアルな友人になるまでの時間は、大学の発表で約50時間、論文の成人の調査で94時間。自己開示、接触、弱い紐帯の研究から、趣味の場の仕組みと限界を読む。

道具のいらない暇つぶしで、脳は何をしているのか
道具のいらない暇つぶしを、たいていの人は気まずく感じる。その気まずさの正体を、白昼夢と退屈をめぐる研究から辿ってみる。答えは「何もしなくていい」でも「何かで埋めろ」でもなく、もう少し込み入っている。

グルメ巡りとは何か、趣味にすると食べ歩きと何が違うのか
グルメ巡りという言葉を辞書で確かめ、趣味として始める三つの型の得と損を並べる。そのうえで、味覚訓練と満腹感、ながら食べの研究から、食べ歩きと趣味の差を考える。

冬の趣味と季節性感情障害——光と寒さ、研究はどこまで言えるか
冬の趣味を、光・体・寒さ・手の四つの入口から考える。北緯69度の8951人調査で精神的な苦痛に有意な季節差は出ず、冬に増えたのは不眠だった。日本の1月の日照時間は東京と秋田で約4.9倍。季節性感情障害の揺らぎから寒中水泳の危険まで比べた。

一人の時間を持て余すとき、何が起きているのか
「一人の時間に何をするか」の手前には、孤独と孤立の違い、退屈が持つ機能、内向型をめぐる思い込みなど、活動の選択より先に効いている条件がある。心理学の実験を辿りながら、その手前にある構造を検討する。

夫婦・カップルの「共通の趣味」は、一致させなくていい
「共通の趣味ランキング」を試す前に疑いたいのは、趣味を一致させるという前提そのものだ。自己拡張モデルという実在の理論と、一緒に過ごすだけでは満足度が上がらなかった実験、そして「誘うこと」自体のコストまで、根拠に基づいて考える。

エンドロール後の虚無感には、名前がついている
ゲームのエンドロールの後に訪れる名前をつけにくい虚無感は、独立した心理学的現象として測定され始めている。百時間かけて積み上げた物語の評価が、数分間の演出に委ねられてしまう構造を、いくつかの研究から辿る。

60代・70代の趣味と孤独——一人の時間が最も長い年代
一人でいる時間が最も長いのは70代前半(睡眠を除き1日6時間51分)。孤独を頻繁に訴える人が最も少ないのも70代だった。60代・70代の趣味選びの前に、一人の時間、つながり、寂しさの三つを統計で分けてみる。

40代で「楽しみがない」と感じたら、「趣味のROI」を疑う
趣味を投資として語り、リターンを計算する発想そのものが、機会費用や快楽適応をめぐる研究から見ると裏目に出かねない。年齢とともに速まるとされる時間感覚まで含めて、その発想の限界を辿る。

趣味探しを「意思決定」と呼びたくなったら、疑っておきたいこと
自我消耗の効果量は、2010年のd=0.62から、大規模追試のd=0.06へ縮んだ。「選ぶと疲れる」を根拠に趣味探しを語る前に、理由を言葉にしてから選ぶことの効果も含めて読み直す。

アナログな趣味が「効く」のは、両手がふさがるからかもしれない
陶芸や編み物のような「アナログな趣味」が画面疲れを癒すという話を、デジタルデトックス研究や注意残余の実証データに照らして検証する。答えは「半分正しく、半分は違う理由による」だった。

「おしゃれな趣味」は一万時間で育つのか、道具を疑う
「おしゃれな趣味」の洗練は道具で買えるのか、それとも時間でしか育たないのか。脳科学と味覚研究、そして社会学の知見を借りながら、その言い方そのものを疑う。

誰の役にも立たない趣味について
靴を磨く、刃物を研ぐ、ただ火を見る。役に立たない趣味に惹かれる理由を調べたら、そういう時間ほど「無駄だ」という判定に弱いという話が出てきた。しかも壊すことはできて、直すことはできないらしい。

自己紹介の趣味を「戦略的に設計する」ことについて
自己紹介の趣味を、印象を操作するための台本として組み立てる発想がある。だがその発想を単純に「素直に話せばいい」で退けるのも早すぎる。自己呈示という営みそのものを扱った研究を辿ると、話はもう一段ねじれる。

ヒューマンウォッチングは当たるのか、数秒の印象と嘘の47%
ヒューマンウォッチング(人間観察)とは何か、辞書での扱いから始めて、数秒の印象が当たる範囲、嘘の見抜きが47%にとどまる研究、見られる側の変化と倫理までを、研究に照らして考える。

スマホでできる趣味の選び方 写真を撮ると記憶はどう変わるか
スマホで写真を撮ると記憶はどう変わるのか。ある実験では、描いた単語は書いた単語の2倍以上思い出された。一方、撮る枚数に上限がなくなって消えたのは「撮るかどうか」を選ぶ判断ではないか。実験と日本の統計から、スマホでできる趣味の選び方を考える。

「痩せるために運動する」人ほど運動から離れていく逆説
体重や外見を動機に運動する人ほど参加が減り、通えたとしても満足感が目減りするという逆説がある。動機づけの「向き」を扱った実験群を辿りながら、結果志向とプロセス志向のどちらを土台にし、どちらをいつ重ねるかを考える。

ものづくりの趣味。編み物・手芸は女性16.5%、男性0.8%
ものづくり系の趣味は、性別も年齢の山も種類ごとに違う。静けさを調べたフローや塗り絵の研究が測ったものと測っていないものを分け、刺し子、革、陶芸など六つの入り口の費用と性質を並べる。

お金持ちの趣味が買うのは、道具か、地位か、言い訳か
お金持ちの趣味に代表される高額な趣味は、本当に体験の質を上げているのか。道具の質、排他性、摩擦の除去、意味の肩代わりという四つの効果を、ワインの盲検試験や地位財の研究、幸福研究の知見とともに分けて考える。

ミントが枯れる原因。水のやりすぎの正体は、根の酸欠
ミントが枯れる原因を、水の量ではなく根の酸素から考える。地下茎で庭を占領するほど丈夫なミントが、鉢の中ではあっけなく枯れるのはなぜか。世話の焼きすぎという面から整理する。

泉質で温泉を選ぶようになってから、旅の意味が少し変わった
温泉の定義は25℃以上か成分か。「源泉かけ流し」は法律の言葉ではない。泉質、入浴の頻度、湯上がりのビールを、制度と研究の数字で確かめ直した。

危険な趣味に惹かれる理由と、法律の内側にある代替案
一部の人が危険なほど強い刺激を求めるのはなぜか。感覚追求、エッジワーク、恐怖の神経科学という三つの角度から惹かれる理由を掘り下げ、その欲求を法律や安全の範囲内で満たす具体的な選択肢を考える。

趣味を「投資」と呼びたくなるとき、頭の中で起きている三つのこと
趣味の原稿を書きながら「投資対効果」という言葉に手が伸びた。罪悪感の相殺、生産性という物差し、そしてサンクコスト論法の誤用。その言葉一つが頭の中で担っている、三つの仕事について。

「無料」を選ぶ客は3倍に増える。実際に払っているものは何か
「お金を使わない趣味」という括りを支えているのは倹約の美徳ではなく、ゼロ価格効果や市場規範をめぐる研究が示す、もっと具体的な錯覚と付け替えかもしれない。

「誇れる趣味がない」と感じる本当の理由
自慢できる趣味が欲しいという気持ちの正体は、たぶん承認ではなく、自分についての物語が欲しいという欲求だ。その物語を成立させる条件は種目のランクではなく、もっと厄介などこかにある。

一人で温泉に泊まるということ——一人の15分は感情の振れ幅を小さくし、寂しさもわずかに増やした
一人で温泉に泊まることに踏み出せない理由は、視線と手持ち無沙汰だと思っていた。一人で過ごした15分は、高揚も苛立ちも静め、寂しさもわずかに増やした。観光目的の宿泊旅行者のうち、一人は延べ約9%。

石鹸を彫る、鍵を集める——「非効率を楽しむ」記事が効率の語彙で書かれている件について
変わった趣味をIT用語で語ることをやめて書き直したら、今度は心理学と社会学の語彙で同じ矛盾を再演していないか、疑いながら書くことになった。