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温泉で「効いた」と感じるとき、何が効いているのか——水道水の風呂でも膝は良くなり、温泉水の群はそれを上回った
遠くて不便な温泉で「効いた」と感じるのは、何のおかげなのか。温泉水と、色と匂いを似せた水道水に分けた58人の膝の試験では、水道水の群も改善した。厳しい入会ほど好意が増す実験は追試で割れ、何もしない時間は思ったより難しい。

「効率化」という言葉を使わずに、冷蔵庫の中身とどう付き合うか
1903年の料理書は、すでに厨房の管理を書いていた。「効率化」の語彙が暮らしを軽くするのか窮屈にするのかを、家事の統計と古い資料で確かめ直した。

モノを直すと気持ちは支えられるのか
逃げられない電撃を受けた犬の3分の1は無力にならなかった。学習性無力感の原典と、提唱者自身による見直し、修理の実験から、直すことの効き目を確かめ直した。

メイラード反応の数字は、どこまで確かめられているか
「140度から始まる」に一次出典は見つからなかった。メイラード反応とカラメル化、肉の温度、アクリルアミド、うま味の相乗効果の数字を、原典に当たって確かめ直した。

マシュマロ実験の神話と、発酵という待つしかない時間
「待てる子は成功する」というマシュマロ実験の相関は、追試で大きく縮んだ。それでも台所で発酵を待つ人がいるのはなぜか。待つことの心理学を、発酵という待つしかない時間から考える。

台所の精度は、道具の数字だけでは決まらない
55℃で止めたひき肉のパティの47%が、焼けたように見えた。色や感触の判断と、温度計・スケール・タイマーの精度を、実験と仕様で確かめ直した。

「美味しそう」という予感を、少し疑ってみる。――ステーキを物理法則で焼くための手順
室温に戻しても灰色の層は薄くならず、52℃で下ろす焼き方は殺菌を目的にしていない。ステーキの焼き方を、温度・塩分・安全の面から文献で確かめ直した。

包丁を研いでいる間だけ、頭が静かになる理由
包丁を研いでいる間は頭が静かになる、という話をよく聞く。禅的な説明にも、脳の一部が沈黙するという説明にも頼らず、注意資源の奪い合いという地味な仕組みから探る。研ぎそのものを調べた研究は見つからなかったので、隣の実験からの推測として。

コレクション趣味の始め方と、ためこみ症との境目
切手やカード、石、駅のスタンプ、ゲームのアイテム。集める趣味を集め方で四つに分け、始め方の入口を利点と欠点つきで見たうえで、人はなぜ集めるのか、ためこみ症とどこで分かれるのかを研究からたどる。

「趣味を仕事に活かす」という話の、どこまでが本当なのか
離れた趣味を掛け合わせれば市場価値が上がる、という話をよく見かける。ただ転移の実験では、数分前に読んだ物語ですら、ヒントなしでは15人中3人しか使えなかった。持っていることと、思いつくことは別だった。

趣味は「精神的インフラ」になるのか
「趣味が多いほど心は折れにくい」を支える心理学の仮説、自己複雑性は、統合研究では支持が弱かった。気根の比喩を、自己複雑性、デフォルトモード、注意回復理論から確かめ直した。

四十年続く趣味には、何が共通しているのか
四十年続く趣味は、始め方が良かった結果ではないらしい。継続性理論、退職後のアイデンティティ研究、生きがい研究、認知症をめぐる論争、老いに伴う選択性理論を手がかりに、趣味が人生の断絶をまたいで生き延びる仕組みを考える。

趣味に「Lv.1〜Lv.3」を割り振ることの効き目と副作用
趣味の上達を「スキルツリー」として段階づける語り方には、ゲーミフィケーション研究の裏づけがある。ただしその効果は思ったより不安定で、効いている理由も思ったより一枚岩ではない。

趣味を選ぶ基準を、他人の反応から動機に移してみる
約束された賞状で、絵を描く時間は半分になった。ただし、この効果がどこまで一般に通じるかは割れている。趣味の選び方を、報酬・予測・過去の行動の研究で確かめ直した。

「0円で自分を取り戻す」と言う前に、罪悪感の話をしたほうがいい
母親が自分のために時間を使うことへの罪悪感は、支出を0円にしても消えない。インテンシブ・マザリング規範や汚染された時間、認知労働の研究を手がかりに、金額を操作することが実は何を解決していないのかを検討する。

庭の雑貨を、スタイルから選ぶのをやめてみる
園芸グッズを「北欧風」「アンティーク風」で選ぶ行為の裏には、見た目の一貫性が生む安心感と、実際の園芸継続や満足度との間の意外な断絶がある。環境心理学の選好理論、園芸と健康の効果量、IKEA効果までを手がかりに、見た目と実用の対立そのものを問う。

趣味の道具の収納スペース。キャンプする人の7割は年4日以下
住まいの不満は、広さより収納のほうが11.7ポイント高い。一方、キャンプをする人の72%は年に1〜4日しかしていない。収納の話を、使う頻度と置き場所の側から、統計と研究で見直す。

「クレジットカード一枚分」を疑う——プラスチックを減らすという遠回りな趣味
プラスチックを減らす行為から環境負荷という建前を外すと、何が残るのか。クレジットカード一枚分のマイクロプラスチック、モラルライセンシング、二十社の原料——数字を追いながら、素材を選び直すという行為の実質を確かめる。

捨ててしまう前に。古いものから生まれるアップサイクルの手仕事
スチール缶の94.4%は資源に戻る。それでも瓶や缶を鉢にする意味はどこにあるのか。アップサイクルの環境効果と、4つの工作の落とし穴を、統計と研究で確かめた。

「エシカルな趣味」は、買うことから始まっている
綿のトートバッグが元を取る回数は、7,100回とも52回とも言われる。数字を決めた指標と、モラル・ライセンシングの追試を読み直し、「エシカルな趣味」の成り立ちを問い直す。